宇部鴻城・岡田、驚異の空振り奪取率 …データで楽しむ夏の甲子園【7日目・第1、2試合】

両投手無四球の投手戦 本塁打以外の長打許さなかった海星・柴田に軍配

〇海星3-2聖光学院

【海星】
打率.229 OPS.565 wOBA.272
O-swing% 38.8% Z-swing% 55.0% Swing% 47.7%
O-contact% 68.4% Z-contact% 93.9% Contact% 84.6%
Zone% 55.0% SwStr% 7.3%

【聖光学院】
打率.212 OPS.606 wOBA.295
O-swing% 26.8% Z-swing% 69.2% Swing% 50.5%
O-contact% 90.9% Z-contact% 97.2% Contact% 95.7%
Zone% 55.9% SwStr% 2.2%

海星・柴田蓮人投手の各指数

9回 打者数33 投球数93
WHIP 0.78 P/IP 10.33 GB/FB 1.38
ストレート77.4% カーブ8.6% チェンジアップ7.5% スライダー6.5%
Zone% 55.9% 空振り率 2.2%

聖光学院・須藤翔投手の各指数

9回 打者数36 投球数109
WHIP 0.89 P/IP12.11 GB/FB2.09
ストレート43.1% スライダー38.5% フォーク15.6%
Zone% 55.0% 空振り率7.3%

 両投手とも無四球。締まった投手戦になりました。海星・柴田投手は77.4%の割合でストレートを投じ、うち60%がストライクゾーンというコントロールで聖光学院に対峙。空振りは取れないものの打たせてとる投球で抑えていきました。聖光学院の荒牧選手にはストレートを2度スタンドに持っていかれましたが、それ以外はすべて単打。集中打を浴びることなく2失点で勝利に貢献しました。
 聖光学院の須藤投手もストレート、スライダーの6割近くがストライクゾーンをという丁寧な投球。ゴロの山を築いてGB/FBは2.09に達しました。OPSでは聖光学院が上回りましたが、少ないチャンスを確実にものにした海星が17年ぶりの夏の甲子園勝利となりました。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY