鷹・和田、ハム斬り3勝目 調整登板なしで復帰し好投「迷惑かけちゃいけないと」
「問題ないというところを見せたい」初回から全開、圧巻3者連続三振
■ソフトバンク 6-3 日本ハム(12日・ヤフオクドーム)
ソフトバンクの和田毅投手が、復活の白星をあげた。12日、本拠地ヤフオクドームでの日本ハム戦。右太ももの負傷からの復帰戦となった左腕は5回を投げて5安打1失点と好投し、今季3勝目をマークした。
圧巻の立ち上がりだった。「不安を感じている人もいると思ったので、全く問題ないというところを見せたいというのがあった」と、いきなりアクセル全開。初回、先頭の 西川を見逃しで3球三振に仕留めると、続く大田、近藤は空振り三振。3者連続三振の立ち上がりに本拠地のスタンドは沸いた。
これがチームに勢いを呼んだ。川島の左前安打を皮切りに、内川の適時打、デスパイネの2ランで味方が3点の援護を送った。「3回、4回くらいから真っ直ぐを捉えられている感じが出てきた」。5回先頭の横尾にソロを浴びたものの、失点はこれだけ。復帰戦ということで、この日は5回がメド。予定通りの5回を5安打1失点にまとめて、勝利への道筋をつけた。
7月20日の楽天戦で右太もも裏を負傷して以来、23日ぶりの先発マウンド。リハビリ中はファームでシート打撃にこそ投げたものの、実戦での調整登板はしなかった。「自分の中では間が空いている感じはなかった。実戦形式でも投げたし、自分としてもいける、いきたいと思った。迷惑かけるピッチングはしちゃいけないと思っていた」。ほぼ“ぶっつけ本番”で挑んだ復帰のマウンドで、貫禄の投球を披露した。
38歳のベテラン左腕の力投には、調整登板を経ずにマウンドに送り出した工藤公康監督も舌を巻いた。「3週間投げていないにも関わらず素晴らしい立ち上がりだった。多少なりとも不安はあったんですけど、さすがというところを見せてくれた。3週間あるとさすがに…と思うんですけど、経験のなせる業かなと」。和田の白星は7月3日の楽天戦以来、40日ぶり。今季3勝目で日本ハムの自力優勝の可能性を消滅させた。
「中20何日も空いていたことを考えると、1点で抑えられたのは良かった。でも、4回、5回とアタフタしてバトンを渡してしまったのは反省です。勝ちに貢献できて良かった」と表情を緩めた和田。チームは4連勝、日本ハムとの直接対決に3連勝した。2年ぶりのV奪還へ、また1人頼もしいベテラン左腕が戻ってきた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)