DeNA2年目左腕・櫻井周斗の成長を促す圧倒的な“吸収力” 「毎日が勉強」

DeNA・櫻井周斗【写真:佐藤雄彦】
DeNA・櫻井周斗【写真:佐藤雄彦】

20歳とは思えない強心臓「自信を持って投げて打たれたら、また練習すればいい」

 見えた課題は、ピッチング云々を語る以前のものだった。「根本的なプロスポーツ選手としての体格、フィジカルが足りていなかった。まずはプロ野球選手としての身体作りをして、2年目から技術的な課題が解消できればいいかなと思いました」と、ルーキーイヤーは体力と筋力を上げるトレーニングに明け暮れた。その成果が約10キロの増量だ。同時に、スケールアップした身体を重く感じない体力も身につけた。

 1年目はファームで18試合に投げ、2勝3敗、防御率7.03。数字だけを見ると物足りなく感じるかもしれないが、櫻井は数字では測れないプロとして大切な要素を吸収し続けた。ファームの選手が1軍の試合を見に行く機会には「僕がプロとして活躍する上で何が必要で、何が足りないのか」を考え、ファームでは川村丈夫投手コーチや大家友和投手コーチに積極的にアドバイスを求める。その1つ1つを成長の糧とした。

 今年はファームで18試合に投げて防御率1.61の好成績を挙げると、開幕から約2か月経った6月7日、交流戦の西武戦で1軍デビューを果たした。初めて立つ横浜スタジアムのマウンドに、緊張と興奮がない交ぜになった感情に襲われたかと思いきや、20歳の誕生日を直後に控えた左腕の心臓には毛が生えていたようだ。

「初登板のことは結構ハッキリ覚えていますね。正直こんなに早く呼ばれるとは思っていなかったんです。今年1軍で1試合でも登板できればいいな、くらいの感じでした。ファームでの手応えもそうでしたし、まだまだやることはいっぱいあると思っていたんです。もちろん(1軍に)呼ばれてうれしい気持ちもありました。でも、呼ばれるんだったら、結果どうこうより、逃げのピッチングは絶対にしないでおこうと思って。打たれて、また勉強できる。ファームでもそう思っていたので、とにかく打者と勝負することだけ意識しました」

 記念すべきプロ初対戦は、昨季パ・リーグ本塁打王の山川穂高だった。フルカウントまで追い込むと、最後は6球目を内角に真っ直ぐを投げ込み、空振り三振に仕留めてみせた。続く中村剛也は三塁ゴロ、岡田雅利は空振り三振。攻める投球で3者凡退と抑えた。

「自信を持って投げて打たれたら、また練習すればいいやと、それくらいの気持ちでいました。とにかく攻めないと、次は絶対に呼ばれない。いいピッチングだろうが悪いピッチングだろうが、とにかく攻める姿勢を相手の選手もそうですし、監督や首脳陣の方にも見せられるように、そういう意識で投げていました。逃げのピッチングをするために1軍に上がったわけじゃない。マウンドに立った以上は、年齢も実績も関係ないですし、割り切ってやっています」

ホスト界の帝王・ROLANDの自著からも学び「野球に通ずるものも」

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