【あの夏の記憶】「投げられる状態ではなかった」日大三Vバッテリーが明かす秘話
今も社会人野球の名門、JR東日本で野球と向き合っている吉永と鈴木
吉永と鈴木のバッテリーは決勝の光星学院(青森=現・八戸学院光星)や準々決勝の習志野(千葉)で完封したが、2回戦で最も多い8失点を喫した。
吉永「とにかく味方の打線が最強って感じでした。粘って、投げておけば、2巡目、3巡目で打ってくれる。辛抱して、投げるだけで勝たせてくれましたね」
6回に逆転されても、その裏、打線が6得点。11点を奪い、打ち勝った。
吉永「一番危ない試合だったので、勝ててよかったです」
終わってみれば、11-8という開星との壮絶な打撃戦の裏に、痛みとの闘いがあった。
改めて、2人とって甲子園とは、どんな場所だったのだろうか。
吉永「最高の経験です。野球人生の中で、必死に頂点を目指して獲ることができた。努力が報われたと思っています」
鈴木「野球人として、夢の場所です。あれだけの観衆の中で野球をやれた。僕自身、緊張は一切なく、どちらかというと楽しみながら野球できたので、そういう意味で、誰もがプレーしたがる場所なのかなと思います」
2人は今も社会人野球の名門、JR東日本で野球を続け、あの時見た頂上からの景色を求めて、野球と向き合っている。
【2011年・日大三の戦績】
1回戦 ○14-3日本文理(新潟)
2回戦 ○11-8開星(島根)
3回戦 ○6-4智弁和歌山(和歌山)
準々決勝 ○5-0習志野(千葉)
準決勝 ○14-4関西(岡山)
決勝 ○11-0光星学院(青森)
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)