「2軍行きも考えた」日ハム栗山監督の清宮4番起用のワケ「幸太郎には天命がある」

二刀流・大谷をメジャーへ、今季は新戦術ショートスターターを採用「人が育っていくために必要な物はある」

 清宮は早実時代からスター街道を歩き、チームだけでなく、球界を背負うべき逸材だ。今季は右手有鉤骨の骨折で開幕から出遅れ、6月下旬から32打席連続無安打を記録。高校通算111本塁打を記録した破壊力を、まだ見せられずにいる。栗山監督は4番スタメンで使うまで、さまざまな思考をめぐらせてきたという。

「いろんなことを考えてきたし、ファームに行かせることも考えた。チームは生き物。チーム状況、いろんなことを考えてきた中で、何をしなきゃいけないか。今はオレはそうだと思ってやっているだけ。なんとなく入れたつもりは全くない。そんな打順では全くない」

 大谷翔平を二刀流としてメジャーへ羽ばたかせた。15年にはレアードを先発三塁で使い続け、翌16年の本塁打王に。今季は開幕から先発投手に短いイニングを託すショートスターターを採用。「批判覚悟。常識を疑って新しい物が生まれる」と決意を固めてスタートした新戦術は、昨季まで2年間で14試合登板だった21歳左腕、堀が定着しつつある。

 清宮は15日のロッテ戦で4打数無安打3三振に終わった。4番就任後は計3試合で10打数2安打5三振で、「チャンスでたくさん回ってきますし、打たなきゃダメだなと。(4番の)責任を感じました」と振り返った。

「みんな(報道陣)が見て、いろいろと書いてくれて構わない。うまくいかなければ、ただの愚策になってしまう。(清宮の4番は中田)翔(を継続して4番起用した時)の我慢とはちょっと違うんだけど、人が育っていくために必要な物はあると思う。無茶してはいいんだけど、無茶苦茶してはダメなんだよね。勝たせてくれるだろ。あいつが」

 今は「4番・清宮」の種が蒔かれたばかり。近未来に大輪の花を咲かせると信じ、チームを前へ進めていく。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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