楽天・則本昂が今季3勝目 好投呼んだフォームの修正「効率よく、無駄なく」
21日のロッテ戦で7回途中3安打1失点と好投した則本昂
■楽天 3-1 ロッテ(21日・ZOZOマリン)
楽天の則本昂大投手が21日、敵地・ZOZOマリンスタジアムでのロッテ戦に先発登板して今季3勝目をマークした。6回2/3を投げて、103球、3安打1失点と好投した。
エース復権のマウンドだった。ここ3試合、勝利から遠ざかっていた則本昂は「復帰して登板を重ねる中、自分のできることが増えて、求めすぎていた部分もあった。もう一回、最初に戻ろう」と、復帰戦当初の気持ちを思い出しながら、この日のマウンドへ向かった。
初心に戻ったエースは初回から、キレのある速球とコントロールされた変化球で、前日終盤に大量点を挙げたロッテ打線を翻弄。4回まではノーヒットピッチング。5回に初安打を許したものの、レアードを遊併打に仕留め、ピンチの芽を摘み取ると、7回2死一塁で降板となった。
後を託されたリリーフ陣もしっかり仕事を果たし、チームは逃げ切り勝ち。則本昂は3勝目をあげた。これが4試合ぶりの勝利となったが、直近3試合では13失点(自責12)。いずれも大量失点での降板で試合を作れていなかった。
前回登板(14日対ソフトバンク戦)後、則本昂が見直したことの一つが投球フォームだった。「この一週間、フォームの改善など色々やってきて、それが出せたかな。効率よく、無駄なく、いいフォームで投げられたと思いますし、フォームのバランスを一週間で修正できたことが、今日につながったと思います」と、好投の要因を振り返った。
この日チームが負けると5月17日以来、勝率5割を切るという試合。奇しくも復帰戦となった7月9日と同じ状況だった。「それに気づいたのが今朝だった」と、報道陣の笑いを誘ったが、「やっぱりチームとして、借金に入るのは良くないと思いました。(パ・リーグは)混戦なので、残り試合が少ない中、できるだけ多く勝っていかないと厳しい。ロッテにはかなり負けて(11敗)いますし、残り試合、全部勝たないと勝ち越せないので、その気持ちが大きかった」と、必勝を期していた。
技術的な修正と、強い思いが結実し、好投を見せた則本昂。そんなエースの投球に「振る舞い、姿、すべてを取っても今日はエースらしいピッチングをしていたと思います」と平石洋介監督も最大級の賛辞を送った。
「真っ直ぐも良かった」と、投じたボールにはある程度、納得できたという則本昂だが「まだ課題はある」と、現状を復活の途中だと捉えている。「一人ひとりが勝負にしっかりと、やるべきことをやれば勝てると思うし、やって行きたい」。2位から6位までが5ゲーム差にひしめくパ・リーグ。エースが本来の姿を取り戻せば、楽天の上位進出が見えてくる。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)