プホルス独占インタ 子供のスポーツ離れに懸念「勝敗よりも大切なものがある」
「子供にとって、コーチや両親の一言は、大人が思う以上に大きな意味を持つ」
日本では子供の野球端れが多く取り上げられているが、それと同じような状況が米国ではスポーツ全体で起きているという。子供がスポーツから離れていく理由はそれぞれだが、中でもプホルスが無視できない傾向があるという。それが「子供にとってのスポーツが持つ意味の変化」だ。
「そもそも、子供にとってのスポーツは楽しいものであるはず。プレーする中で、チームスポーツであれば、仲間と協力することを覚えたり、チーム内での自分の役割を覚えたり、困っている仲間を助けたり、そういう経験を積みながら、人間として成長していく。ルールを守る、相手をリスペクトするという社会性も学べる場所であったはずだ。それが、いつの間にか勝敗が全てになってしまった。子供がスポーツの意味を変えたわけじゃない。変えたのは大人。コーチや保護者といった周りにいる大人たちが、勝敗に重きを置くようになってしまったんだ。子供の成長にとって、勝敗よりも大事なことがある」
プホルスの子供たちもスポーツをプレーしているというが、「僕はほとんど口を挟まない」と話す。何か声を掛ける時でも、決して叱ることはない。「子供にとって、コーチや両親の一言は、大人が思う以上に大きな意味を持つ」と考え、子供が理解できるように、彼らの目線に立って話しかけるようにしているという。
「もちろん、親だったら自分の子供が上手にプレーできる方がうれしいし、試合に勝てばうれしい。でも、負けや失敗から子供が学ぶこともたくさんある。下手に口を挟んで、子供が成長する機会は奪いたくないし、まだ小学生のうちは楽しくプレーしていれば、それで十分。子供が大人の言葉で傷ついたり、プレッシャーに感じてしまうこともあるからね。
勝った負けたは、もっと大きくなってからでいい。それよりも将来、他人を思いやれる大人になれるか、家庭を愛する大人になれるか、諦めずに何かに打ち込める大人になれるか。僕はスポーツをすることが、そういう人間形成に大きく役立つと思っているんだ」