主力打者の左右投手別相性、オリ吉田正は右投手相手に驚異的成績 パ6球団の数字を分析(後編)
ソフトバンクの右打者は左投手に対して強い打者が多い
○ソフトバンク
対左投手: 944打数 259安打 39本塁打 135打点 打率.274 出塁率.331 OPS.767
対右投手:3055打数 749安打 117本塁打 347打点 打率.245 出塁率.308 OPS.715
合計:3999打数 1008安打 156本塁打 482打点 打率.252 出塁率.313 OPS.727
主力打者に故障者が続出する状況が続きながら、リーグトップの本塁打を記録しているあたりに底力がうかがえる。左右別の成績では、対左の成績が対右を大きく上回っているのが特徴だろう。主力打者の左右別成績は以下の通り。
甲斐拓也捕手(右打者)
対左投手:91打数 20安打 2本塁打 6打点 打率.220 出塁率.290 OPS.620
対右投手:243打数 67安打 9本塁打 34打点 打率.276 出塁率.363 OPS.791
内川聖一内野手(右打者)
対左投手:88打数 30安打 4本塁打 14打点 打率.341 出塁率.363 OPS.874
対右投手:331打数 79安打 7本塁打 24打点 打率.239 出塁率.288 OPS.635
グラシアル外野手(右打者)
対左投手:66打数 25安打 9本塁打 21打点 打率.379 出塁率.423 OPS.1,256
対右投手:226打数 68安打 13本塁打 32打点 打率.301 出塁率.351 OPS.878
松田宣浩内野手(右打者)
対左投手:87打数 31安打 5本塁打 20打点 打率.356 出塁率.370 OPS.979
対右投手:367打数 90安打 19本塁打 43打点 打率.245 出塁率.298 OPS.739
デスパイネ外野手(右打者)
対左投手:68打数 25安打 5本塁打 14打点 打率.368 出塁率.463 OPS.1,066
対右投手:304打数 76安打 25本塁打 61打点 打率.250 出塁率.348 OPS.871
今宮健太内野手(右打者)
対左投手:82打数 19安打 3本塁打 10打点 打率.232 出塁率.284 OPS.638
対右投手:232打数 61安打 10本塁打 26打点 打率.263 出塁率.321 OPS.756
2018年に外野のレギュラーだった柳田悠岐外野手、上林誠知外野手、中村晃外野手という左打者3人がそろって離脱を強いられたこともあり、今回取り上げた主力打者6人は全て右打者。実際、内川、グラシアル、松田、デスパイネの4人は対左投手のほうがより優れた成績を残しており、この点がチーム全体の相性にもつながっている可能性は低くなさそうだ。
今季の内川は打率.260、OPS.685と苦しんでいるが、左投手に対しては打率.341、OPS.874と成績を残している。デスパイネと松田も左腕相手にそれぞれ5本塁打を放ち、打率、OPSともに高水準という素晴らしい成績を残しているが、9本塁打、打率.379、OPS.1,256という圧巻の数字を残しているグラシアル選手の対左の強さは、まさに驚異的だ。
やや打数が少ない選手の中にも、川島慶三内野手(対左打率.400、対右打率.214)、上林(対左打率.222、対右打率.189)、明石健志内野手(対左打率.268、対右打率.234)、中村(対左打率.412、対右打率.200)、高田知季内野手(対左打率.273、対右打率.140)と、左投手を得意としている選手が多い。川島以外の4人は左打者にもかかわらず、左腕相手のほうが好相性となっている。
一方、甲斐と今宮は右打者ながら、右投手を打っている。打数が少ない中では牧原大成内野手(対左打率.189、対右打率.251)、釜元豪外野手(対左打率.175、対右打率.233)、福田秀平外野手(対左打率.143、対右打率.296)と、こちらはセオリー通りに左打者3人が右投手に対して強さを見せている。