突然の守備変更で訪れた転機 4年前にU-18W杯から学んだ「変わること」の大切さ

あの時「外野はできない」と言っていたら…

 慣れなかった木製バットは今、器用に扱える。打ち損じの少ない打者になった。ここ1、2年、練習でも試合でもバットが折れた記憶はないという。

 杉崎にとって、W杯は貴重な経験になった。たったひとつの意識の変化によって、可能性は大きく広がるということを知った。あの時、「外野はできない」と言っていたら、世界大会の経験はできなかったかもしれない。

「今までのことを変えるだけで、結果も変わってくると思います。W杯は文化が違うので、“えっ?”となるプレーも多いです。それも自分の経験と思って、今のメンバーには頑張ってほしいですね。その中で力を発揮できる選手が強いと思うので、どんな環境でも自分を貫いていってほしい。自分が言うのもおこがましいですが、自分らは、あと一歩のところで逃したので、初めての優勝を持って帰ってきてほしいです」

 杉崎は野球人生のターニングポイントを逃さないよう、大切に考えている。それは中学生の時までさかのぼる。当時は捕手だったが、体は小さく、試合になかなか出場できなかった。コーチから「やってみないか?」と遊撃への変更を打診された。「捕手が好きだったんですけど、やってみようとなりました。あの一言がなかったら、僕は東海大相模にも行っていなかったかもしれませんし、野球人生が変わっていたと思いますし、野球の幅が広がりました」と今でも感謝の思いを持っている。

 活躍への道筋はどのような時に見えるかはわからない。環境が全然違くても、必要なことは「試合に出たい」「うまくなりたい」という前向きな姿勢を失わないこと。今、韓国で戦う若き侍へ――。杉崎は世界一以外にも、大切なものを感じて帰ってきてほしいと願っている。

【動画】東海大ショート・杉崎の軽快ステップからの守備、U-18W杯から4年が経った今のプレー

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY