【U-18W杯】執念、雰囲気、2人のマイナーリーガー…日本を苦しめたスペイン代表なぜ強い?

今回のメンバーには2人のマイナーリーガーも所属

 スペインの野球の歴史は古いが、1992年のバルセロナ五輪で野球が正式種目になり、開催国として出場した頃から本格的な強化が始まった。かつてはスペインと南米の野球の強豪国であるドミニカ共和国やプエルトリコ、ベネズエラらとの二重国籍の選手が代表に在籍し、国際大会に出場。米マイナーリーグでプレーする選手もおり、チーム全体の底上げを図ってきた。2013年には1次リーグで敗退したが、ワールドベースボールクラシック(WBC)に出場した。

 ドミニカ共和国やプエルトリコのような破壊力はないが、一球に対する執念や、勢いに乗ったら止まらないような雰囲気はどこか南米の強豪たちと通ずるものがあった。また、今回のU-18代表のメンバーの中に2人、米マイナーチームと契約し、ルーキーリーグに所属する選手もいる。

 ブルージェイズ傘下のマルク・シビト投手と、先日、ドジャースと契約したエドゥアルド・ドミンゲス投手。シビト投手の父サビエル氏もエクスポズ(当時)と契約し、マイナーでプレーしたスペイン野球のレジェンドとされる存在だ。脈々とその血が受け継がれている。

 今回のメンバーは国内リーグに所属している選手がほとんど。リーグは財政面や環境面は厳しいが、野球を目にする機会も増え、野球人口は増えている。今回は善戦したが、日本、台湾、米国のスーパーラウンド進出が決まり、敗退が決まった。しかし、世界を震撼させる日もそう遠くはないと感じた。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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