【U-18W杯】驚愕の21アウト18K…奥川恭伸を専門家が絶賛「楽天時代の田中将大を思い出す」

ドラフトでは競合が確実「1つ抜けた存在」、高い完成度も「まだまだ伸びそう」

 野口氏が奥川の投球を見てすぐに頭に思い浮かんだのが、楽天時代にNPBの打者たちを圧倒し、2013年に24勝0敗という空前絶後の成績を残してメジャーに活躍の舞台を移した田中だという。

「あれだけのスピード、切れ味のあるスライダーがあって、あれだけコントロールがいい投手というのは、プロでもなかなか見ません。楽天で投げていた頃の田中を思い出します。田中も四球を出さないでバンバン勝っていました。あの頃の田中と同じくらいの逞しさを奥川には感じます。そういう雰囲気を感じさせるピッチャーですね。将来が楽しみです」

 オープニングラウンドでは西純矢投手(創志学園)も快投を見せてチームを牽引。ドラフトでは「(西の)単独指名もありえる」と予想していた野口氏だが、奥川は高校時代の松坂大輔投手や田中に匹敵するような、即戦力として魅力的な投手だという。163キロ右腕の佐々木朗希投手(大船渡)とともに、ドラフトの目玉となることは間違いない。

「(力が)1つ抜けているなと、この試合の投球を見せて再認識しました。西も素晴らしいと思いましたが、奥川はやはり1つ抜けている。あとは獲得した球団がどうするのか。1年目はオールスターまでは出さないとか、そういう形になるかもしれませんが、体さえ大丈夫であれば、開幕から先発ローテーションで回していきたい投手です。田中もルーキー時代から体の強さは抜群でしたから。故障のリスクさえなければ、奥川も最初から使いたい」

 まさに絶賛の言葉が並ぶが、奥川の“課題”を挙げるとしたら「落ちる球」が必要になってくると野口氏は言う。ただ、それすらも奥川の“魅力”。これだけ完成された投手でありながら、まだまだ伸びしろがあると感じさせる。

「落ちる球というか、“抜き球”の精度がもっと上がればより良いでしょう。フォーク、チェンジアップは左打者対策としてあったほうがいい。今日は相手が初見で、スライダーを内側と外側に投げ分けていました。左打者には内角へのスライダーが効いていましたが、逃げていく球、落ちていく球もあったほうが幅が広がります。あれでフォークがあればまず打たれないでしょう。完成度が高いけど、まだまだ伸びそうな投手です。落ちる球、“抜き球”を覚えて、体力をつければ……。安心感があって、ワクワクさせてくれる。そんな投手ですね」

 智弁和歌山戦での23奪三振、この試合での18奪三振など、甲子園から度肝を抜く投球を続ける奥川。元々高かった評価は、さらにうなぎ登りとなっている。

U-18W杯の侍ジャパン高校代表の試合日程は以下の通り(※全試合BS朝日・AbemaTVで放送予定)。

○オープニングラウンド
8月30日(金)日本vsスペイン 4○2
8月31日(土)日本vs南アフリカ 19○0
9月1日(日)日本vsアメリカ 16○7
9月2日(月)日本vs台湾 1●3
9月3日(火)日本vsパナマ 5○1

○スーパーラウンド
9月5日(木)日本vsカナダ 5○1
9月6日(金)18時~ 日本vs韓国
9月7日(土)12時30分~ 日本vsオーストラリア

(Full-Count編集部)

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