【U-18W杯】韓国に痛恨サヨナラ負けの日本、響いた終盤の3つのミス 専門家は「そこに尽きる」

「走塁ミスがあった次のイニングというのは失点する確率が非常に高い」

 もう1つポイントとなったのは、延長10回の攻撃で2点を奪った場面。値千金の一打を放った武岡が、三塁を狙ったもののアウトに。2死走者なしとなって2点どまりだった。野口氏は言う。

「はっきりと言えば、武岡は200%以上セーフでなければ(三塁に)行く必要のない場面でした。二塁で止まってなおも1死二塁となっていれば押せ押せだったでしょうし、あの状態の韓国のピッチャーがピンチが続いて3、4番を打ち取りに行けたのかと考えると、あれも走塁ミスと言えるでしょう。あれで少しゲームが落ち着く形となってしまった。

 実は走塁ミスがあった次のイニングというのは失点する確率が非常に高い。ゲームの流れだと思うのですが、ヤクルトでバッテリーコーチをやっていた時には、走塁ミスがあった直後のイニングは捕手に『ここは死に物狂いでゼロに抑えてこい』と言っていました。本当に不思議なくらい走塁ミスの次の回は失点してしまうものなのです。なので、日本としてはみんなでカバーしたかった。

 ただ、2失点した8回の守備で無死一塁から韓国の選手のバントがピッチャーの宮城の頭を越えて内野安打になったあたりから、日本にはツキはなかったとは思います。あれも向こうのバントのミスでしょう。どちらに試合が転がるか分かりませんでしたが、韓国に流れが傾いていたとは感じました」

 流れが良くない中で8回以降に日本にミスが重なり、最後は力尽きるという結果になってしまった。

 若き侍たちは、7日にスーパーラウンド最終戦のオーストラリア戦に挑む。日本が勝ち、なおかつ台湾と米国がともに敗れるという極めて厳しい条件で決勝進出の可能性が出てくる。ただ、まずは勝たなければ道は開けないことは確かだ。

 野口氏は「(5-1で勝利した)カナダ戦を見れば分かるように、ミスのない野球ができれば勝てるわけです。カナダ戦は打つ方は苦しみましたが、守る方は無失策で1失点でした。エラーさえ出なければ、取られても1、2点。エラーが出てしまうと、5点も取られてしまう」と指摘。そして、オーストラリア戦に向けて「ここまでフル稼働してきた西と宮城には頭が下がる思いです。ただ、オーストラリア戦では2人とも球数制限のルールで投げられないので、投手陣もみんなで力を合わせて踏ん張ってほしい」と、日本の強みである投手力を生かしての勝利に期待を寄せた。

 悲願の世界一を目指す日本。可能性がある限り、全力で目の前の1勝を掴みにいくしかない。

U-18W杯の侍ジャパン高校代表の試合日程は以下の通り(※全試合BS朝日・AbemaTVで放送予定)。

○オープニングラウンド
8月30日(金)日本vsスペイン 4○2
8月31日(土)日本vs南アフリカ 19○0
9月1日(日)日本vsアメリカ 16○7
9月2日(月)日本vs台湾 1●3
9月3日(火)日本vsパナマ 5○1

○スーパーラウンド
9月5日(木)日本vsカナダ 5○1
9月6日(金)日本vs韓国 4●5
9月7日(土)12時30分~ 日本vsオーストラリア

(Full-Count編集部)

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