【U-18W杯】守備のミスと“貧打”に「泣き続けた」日本、勝利のために必要だったことは…

「選手たちの『負けているからとにかく打たなきゃ』という状態がずっと続いてしまった」

 守備のミスと同じように“貧打”も大会を通じて課題となり続けた。この日は相手の先発右腕ビドワに7回3安打に抑え込まれ、反撃することができなかった。「リードされて焦ってしまい、慌てて打ってしまっていた。ボール球を振っていました」。野口氏はここにもメンタル面の影響が出ていたと見ている。

 さらに「高めの真っ直ぐは、審判がストライクと言っても打たないほうがよかった。オーストラリアの先発投手の球は打ちにくい感じでいい具合に荒れていて、さらにこの試合は高めのストライクを取る球審でした。この2つがちょうど合ってしまっていて、日本の打撃陣には不利な状況でありましたが、手を出しても、球が強いからファウルでカウントを稼がれて、前に飛べばポップフライになっていました」と分析。攻略のためにチームとして意思統一ができていたのかが重要だという。

「打ちにくいなら、追い込まれるまでは高めは我慢するとか、追い込まれたら何とかファウルにするとか、そういうことを指示した人がいたかどうか、ですね。選手たちの『負けているからとにかく打たなきゃ』という状態がずっと続いてしまった。ピッチャーをどう攻略するかというチームの方針が、見ている限りは伝わってきませんでした。それを言ってあげられる指導者がいたのか。日本のトップクラスの選手たちとはいえ、やっているのは高校生ですから。どうしても勝たなくてはいけない試合で硬くなってしまっていたので、1つの指示は大事だったと思います」

 守備と打撃で苦しんだ今大会の日本。ただ、当然ながらいいところもあった。日本の強みである投手力の高さを存分に示した大会でもあった。

「前評判のいいピッチャーたちが、実力通りのものを見せてくれました。ピッチャー陣の頑張りはすごく大きった。韓国戦で1イニングで降板した佐々木も残念でしたが、マメならば仕方ありません。次のステージで投げるときに同じことにならないように改善していってもらえれば。ミスでの失点はありましたが、ピッチング自体が駄目だった投手はいませんでした。期待を抱かせるピッチャー陣でしたよね。特に、奥川、西、飯塚、宮城の4人は評価をさらに上げたのではないでしょうか」

 当然、大学や社会人に進む選手もいるが、プロの評価を上げた投手もいたと野口氏は言う。10月にはドラフトが控える。どの選手が、どんな順位で、どの球団から指名を受けることになるのだろうか。世界を経験して大きくなった選手たちの次のステージでの活躍に期待がかかる。

U-18W杯の侍ジャパン高校代表の試合結果は以下の通り。

○オープニングラウンド
8月30日(金)日本vsスペイン 4○2
8月31日(土)日本vs南アフリカ 19○0
9月1日(日)日本vsアメリカ 16○7
9月2日(月)日本vs台湾 1●3
9月3日(火)日本vsパナマ 5○1

○スーパーラウンド
9月5日(木)日本vsカナダ 5○1
9月6日(金)日本vs韓国 4●5
9月7日(土)12時30分~ 日本vsオーストラリア 1●4

(Full-Count編集部)

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