鷹・千賀が達成したノーノーには運も必要… 224勝の工藤監督も達成できず

球団別で最も多いのは巨人の16回で、中日、オリックス、阪神と続く

○球団別のノーヒットノーランの回数

16回 巨人
沢村栄治(3回)、スタルヒン、中尾輝三(2回)、藤本英雄(2回うち1回は完全試合)、大友工、堀内恒夫、城之内邦雄、渡辺秀武、加藤初、槙原寛己(完全試合)、杉内俊哉、山口俊、※他に菅野智之がCSで記録

11回 中日(名古屋)
西沢道夫、石丸進一、杉下茂、大矢根博臣、中山義朗、近藤真一、野口茂樹、バンチ、川上憲伸、山本昌、山井大介

9回 オリックス(阪急)
石田光彦2回、浅野勝三郎、森弘太郎、天保義夫、戸田善紀、今井雄太郎(完全試合)、佐藤義則、西勇輝

9回 阪神
三輪八郎、呉昌征、梶岡忠義、真田重男、バッキ―、江夏豊、湯舟敏郎、川尻哲郎、井川慶

9回 西武(西鉄)
大津守、西村貞朗(完全試合)、井上善夫、田中勉(完全試合)、清俊彦、若生忠男、郭泰源、渡辺久信、岸孝之

8回 ヤクルト(国鉄)
金田正一(2回うち1回は完全試合)、大脇照夫、宮地惟友(完全試合)、森滝義巳(完全試合)、ブロス、石井一久、ガトームソン

7回 近鉄
山下登、武智文雄(完全試合)、鈴木啓示(2回)、佐々木宏一郎(完全試合)、神部年男、エルビラ

6回 広島
外木場義郎(3回うち1回は完全試合))、藤本和宏、佐々岡真司、前田健太

5回 日本ハム(東映、日拓)
高橋善正、高橋直樹、田中幸雄、柴田保光、西崎幸広

3回 大洋(横浜、DeNAとしては記録なし)
島田源太郎(完全試合)、佐々木吉郎(完全試合)、鬼頭洋

2回 ロッテ
成田文男、八木沢荘六(完全試合)

2回 黒鷲(イーグルス)
亀田忠(2回)

2回 ソフトバンク(南海)
別所昭、千賀滉大

1回 大映
林義一

1回 大陽
真田重蔵

 16回の巨人を筆頭に、中日、オリックス、阪神とプロ野球草創期から存続する老舗球団が続くが、そのあとには1950年の2リーグ分立時に創設された球団が続く。ソフトバンク(南海)の少なさが際立つ。なお、2005年創設の楽天は相手投手に2回ノーヒットノーランを記録されているが、自チームの投手は1度も記録していない。南海の最初のノーヒットノーラン投手の別所昭は1948年に巨人に移籍して別所毅彦と改名し、310勝を挙げる大投手になった。

ノーヒットノーランは実力に加えて、「運」がなければ達成できない。400勝投手の金田正一は2回(うち1回は完全試合)達成しているが、これに続く350勝の米田哲也(阪急、阪神、近鉄)、320勝の小山正明(阪神、ロッテ、大洋)は1度も記録していない。

 一方で、プロ初登板でノーヒットノーランを記録した近藤真一(中日)はわずか12勝で終わり、外国人投手として記録したナルシソ・エルビラ(近鉄)も2シーズン7勝で退団した。藤本和宏(広島)も通算10勝だった。現在、ソフトバンクで指揮を執る工藤公康監督も通算224勝を挙げた大投手であったが、ノーヒットノーランは達成していない。

 千賀滉大は育成初の快挙という記録も作った。捕手も育成出身の甲斐拓也だった。千賀も実力に加えて、強運の持ち主だといえるだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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