「仕事してるなあって感じ」…西武國場が初勝利、同期が先に活躍も「自分は自分」
東浜から伝授されたカットボールで飛躍、次の目標は同郷の山川と「一緒にお立ち台」
プロ4年目を迎えるにあたり、同郷・うるま市出身の東浜(ソフトバンク)に志願し弟子入り。1月の自主トレで東浜から直球のような軌道から小さく曲がるカットボールを伝授されたことで、課題だった制球面を克服し、与四球が激減。8月中旬に1軍の切符をつかむと、21日にはプロ初ホールドを記録。僅差の展開でも起用されるようになり、この日のプロ初勝利に繋がった。試合が終わると、スマートフォンには東浜から「初勝利おめでとう。第一歩やね」と祝福のメッセージが届いていた。國場は「家に帰ってからゆっくり返したいと思います」と嬉しそうに画面を見つめた。
同期で入団した多和田が18年に最多勝に輝き、同じく同期で同級生の本田は今季ここまで6勝を挙げるなど先発陣の一角を担ってきた。「同級生の活躍は嬉しいです。でも、自分は自分なので意識せずにやりたい」と折れずに取り組んできた。昨年チームは10年ぶりのリーグ優勝を果たしたが、國場の1軍出場はなし。「毎試合毎試合、悔しかった」と1軍の本拠地・メットライフドームに隣接する西武第二球場で汗を流し続けていた。それでも今季は激しい優勝争いの中に身を投じ、全力で腕を振り続ける日々を送る。「毎試合しびれますね。楽しいです。『ああ、仕事してるなあ』って感じです」と國場は端正な顔いっぱいに充実感をにじませた。
この日は同じ沖縄県出身の主砲・山川が6回に42号ソロを放っており、國場は「山川さんは僕から見ていても“沖縄愛”が強い人。次は一緒にお立ち台に立てるように頑張ります」とはにかんだ。この日7回に登板し1イニングを無失点で抑えた平良も沖縄出身。現在不整脈で療養中の多和田も同郷だ。「まずは名前を覚えてもらいたいですね」と話した國場。沖縄出身の“うちなー魂”が、チームを大きく盛り上げていく。
(安藤かなみ / Kanami Ando)