30度目先発も“最短”3回途中5失点KO… 菊池雄星はなぜ安定を保てないのか

安定感を保てない理由を自己分析「年間通して同じ」

 2日前のブルペン投球後には状態の良さを強調していた菊池。一連の投球動作のタイミングが本来のものと合致する手応えから「配球や細かいコントロールとか、そういうとこに意識が向けられてるかなっていうのは最近は感じます」と話したが、皮肉にもこの日のマウンドではその2つに難があった。

 メジャー初完封勝利を挙げた8月18日のブルージェイズ戦から前回9月7日のアストロズ戦までの4試合は2勝1敗、防御率3.52。しかし、上り調子で迎えた節目の30試合目の登板は暗転した。サービス監督は菊池の思いを汲み取るかのように言う。

「彼にとっては、ストレスがたまるような内容だったと思う。せっかくいい感じできていたのに、それが途切れてしまった。でも彼は、立ち直ると思うよ」

 安定を保てない投球に菊池本人は、こう自己分析をする。

「打たれている時は同じような甘いボールを打たれているというのは年間通して同じなので、追い込んでからの決め球というのは精度を上げていかないと」

 首脳陣が「学びの1年」と位置付ける今季に、左腕に残されたのは2試合。いずれの登板も課題解消に向けた貴重なものとなる。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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