永川、館山の引退決断で残るは6人… “松坂世代”の現在地、阪神・藤川の輝き際立つ
ソフトバンクの和田は左肩故障から復活、中日松坂は苦闘の1年に
プロ野球の2019年シーズンも残すところ、あと10試合前後。セパ両リーグともにまだリーグ優勝も決まっておらず、熾烈なペナントレースが今もなお続いている。
そんなシーズン佳境に、優勝争いとともに、毎年話題となるのが選手たちの去就。特にベテラン選手たちが現役引退を決断するなど、ファンにとっては寂しい思いを感じることになる季節でもある。
既に今季は開幕前の段階でロッテの福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ、日本ハムの田中賢介内野手が今シーズン限りでユニホームを脱ぐことを決断。さらには広島の永川勝浩投手、ヤクルトの館山昌平投手、畠山和洋内野手、阪神のランディ・メッセンジャー投手らの引退が発表された。
このうち館山と永川は長らく球界の中心として牽引してきた“松坂世代”の面々。かつては各球団の核として多くの選手が何十人と活躍してきたが、その松坂世代も39歳を迎えるベテランに。1人、また1人とユニホームを脱ぎ、楽天の平石洋介監督のように指導者となっている者もいる。
プロ野球に残る“松坂世代”は館山、永川の引退で、残り6人に。その6選手の今季の成績を振り返ってみよう。
松坂大輔(中日)
2試合0勝1敗0セーブ0ホールド 防16.88
藤川球児(阪神)
50試合4勝1敗12セーブ23ホールド 防1.44
和田毅(ソフトバンク)
11試合4勝4敗0セーブ0ホールド 防3.86
実松一成(日本ハム)
5試合1打数0安打0本塁打0打点 .000
久保裕也(楽天)
21試合2勝1敗0セーブ2ホールド 防2.86
渡辺直人(楽天)
19試合16打数1安打1本塁打1打点 .063
際立つのは、阪神・藤川の圧倒的な活躍ぶりだ。今季はセットアッパーとして23ホールドをマーク。終盤にはクローザーを任されて12セーブをあげ、防御率も1.44と好成績を残している。現役最多セーブの座を奪い返し、通算250セーブまで残り13に迫っており、世代初の名球会入りが近づいている。39歳になっても150キロ前後の“火の玉ストレート”は健在だ。
ソフトバンクの和田は昨季、左肩の故障で1年を棒に振ったものの、今季復活を果たした。ここまで11試合で4勝をマーク。左肩の故障からの復帰で慎重に登板間隔を空けながらではあるが、ベテラン健在という投球を披露した。
世代の中心であった松坂は苦闘の1年となった。キャンプ中にファンとの接触により右肩の炎症を発症。7月16日の阪神戦で今季初めて1軍に登板。5回を投げて4安打4四死球2失点とまずまずの投球を見せたが、同27日のDeNA戦では初回に8安打8失点、1回もたずにKOされた。その後、右肘の違和感が出てファームで調整中。去就問題が取り沙汰され、周囲が騒がしくなっている。
楽天の久保はここまで中継ぎとして21試合に登板。6月から8月前半にかけて、中継ぎでまずまずの働きを見せていたが、8月10日のオリックス戦で3失点して2軍に降格。1か月後の9月11日に再昇格し、この終盤、1軍の戦力となっている。渡辺は5月9日のソフトバンク戦で今季初安打を初本塁打で放ったが、今季の安打はこの1本だけ。日本ハムの実松は今季、1軍では5試合の出場にとどまっている。2軍育成コーチも兼任しており、後進の育成にも尽力している。
また、久保康友が今季はメキシカンリーグで、梵英心は社会人のエイジェックで内野手兼コーチとしてプレーを続けている。残り少なくなってきた“松坂世代”だが、まだまだ球界を沸かせる存在として、活躍してもらいたい選手ばかりである。
(Full-Count編集部)