西武ニール、球団助っ人タイ記録の10連勝に笑顔 「歴史に名を刻めて光栄だよ」
チームに溶け込みドラ1松本航にもアドバイス「オンリーミット! 森のミットだけを見ろ」
■西武 5-0 オリックス(18日・メットライフ)
西武のザック・ニール投手が18日のオリックス戦に先発し、自己最長の8回を無四球無失点で投げ切り、11勝目(1敗)を挙げた。6月20日の中日戦で2勝目を挙げてからこれで10連勝。88年に郭泰源が記録した球団外国人投手の連勝記録に並ぶ快投を見せた助っ人右腕は「ライオンズの歴史に名を刻めて光栄だよ」と白い歯を見せて喜んだ。
持ち前の打たせて取る投球でオリックス打線を手玉に取った。この日もゴロを量産。2回、3回と先頭の出塁を許したが、いずれも併殺で切り抜けた。8回までに奪った24個のアウトのうち、実に17個がゴロアウト。外野に打球が飛んだのは5回2死で迎えた西村の左飛のみだった。
打者のポイントをずらす投球でテンポよくアウトカウントを重ねたニールは8回まで無四球無失点で投げ切り、試合時間はわずか2時間35分。「ボール先行だと内野手も守りづらい。ストライクを取りに行けば守りやすいし、記者の人たちも早く家に帰れるしね」とジョークで報道陣を笑わせた。
ニールの魅力はゴロを打たせてアウトを重ねる安定した投球だけではない。チームメイトと積極的にコミュニケーションを図り、来日1年目ですでに日本の野球に馴染んでいる。
登板が近くなると野手陣に「たくさんゴロを打たせるから頼むぞ」と声をかけ、信頼関係を築いてきた。好循環は投手陣にも及ぶ。投球について悩んでいたドラ1・松本航に「過去を思い出すのも大事だけど、今できることをやってもいいんじゃないか。忘れることも大事だ」と声をかけ、「オンリーミット! 森のミットだけを見ろ」とアドバイス。
ニールの助言を受けた松本航は「悩んでいるときはニールに相談します。ニール”先生”ですね」と頼もしそうに右腕に感謝する。ニールが登板した試合でチームは直近12試合で全て勝利。ニール自身の勝率は驚異の9割越え。勝利を呼び込む右腕が、この日の快投でリーグ連覇をぐっと引き寄せた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)