中日小笠原が怪我から復活できた理由 転機は松坂とのキャッチボール「全てが財産」

中日・小笠原慎之介【写真:荒川祐史】
中日・小笠原慎之介【写真:荒川祐史】

19日の巨人戦に先発し6回3安打1失点の好投を見せた小笠原

 小笠原慎之介が投げた。惜しくも2年ぶりのナゴヤドームでの勝利こそ付かなかったものの、6回3安打1失点の好投。先発としての役割を果たした。

「野球の神様はいると信じています。その神様が『こいつは怪我しないと分からないな』と思ったんでしょうね。投げられない間、色んなことを勉強しました」

 甲子園優勝。ドラフト1位。小笠原は常に陽の当たる場所でプレーし、スター街道を走ってきた。1年目に2勝。2年目に5勝。3年目には球団史上最年少開幕投手を務めた。

「去年は開幕に全てを合わせました。そこから各チームのエースと当たって、勝たなきゃという気持ちが強くなって、肩にかなりの負担をかけていました」

 集中は時に痛みを忘れさせる。しかし、限界を超えるとさすがに気付く。開幕から1か月後の検査でインピンジメント症候群と診断された。それでも、小笠原は投げた。投げてしまった。7月まで懸命に腕を振り、5勝。しかし、8月に再検査を受けた。左肩に水がたまり、内出血していることが判明。左肘の遊離軟骨も見つかり、即手術となった。

 今年の春季キャンプはスローペース。肘は順調に回復したものの、肩が一進一退だった。キャッチボール、遠投、ブルペンと進んで、痛みが再発。もどかしい1か月だった。

「3月に名古屋に帰ってきて、もう1度フォームを見直したんです。最初に取り組んだのはシンプルに軸で立つことでした」

 今、小笠原は右足を3塁側に引いた状態で投げ始めている。

「今までは右足を上げる際、右膝が遠回りしていたんです。すると、バッター方向に投げに行く時に今度は右膝が遠回りして着地する。反動は付きますが、どうしても腕が振り遅れる。これではまた肩を痛めてしまう。スッと軸で立つにはどうするかを模索しました」

転機は5月下旬、松坂とのキャッチボールだった

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