二塁送球1.8秒―「勝てる捕手」になったドラフト候補、東海大・海野隆司の意地

強肩捕手と高く評価、しかし評価すべきポイントはスローイングの正確性

 リードはもちろん、海野が守備で丁寧に磨き上げたのがスローイングだった。ソフトバンクの“甲斐キャノン”こと、甲斐拓也捕手の二塁送球は速い時で1.7秒台と言われているが、メジャーを見渡しても1.8秒台でも相当、速い部類に入る。海野は大学生ながら、その域に近づいている。

「(1.7秒台?)実際に走者がいたら、出ない数字だと思います。ただ、イニング間の送球練習だったら出るかと思います。走者がいるときは1.8秒で投げられたらいいなというような感覚です」

 プロのスカウトも高く評価し、海野の魅力でもある肩の強さ。しかし、本人は謙遜する。

「正直、肩はそんなに…良くはないと思います。めちゃめちゃ強いと思っていないですよ…」

 ただ、意識をしているところは別にあった。

「自分は正確にセカンドベースへ投げるということ、セカンドベース以外にもいろんなところにきちんと投げるということを意識してやっています。足の運びは常に心掛けていますね。上体だけではなく、下半身を使って投げます。これは連動して投げるものなので、下が一番、大事だと思ってやっていますね。高校の関西のコーチからずっとしごかれていましたから」

 肩が強いというよりも、正確に速く、強い球を投げると言った方が海野のイメージにはまる。海野は高校時代から、練習試合など実戦のイニング間の送球でしっかりと送球することを心掛けていたことが、今のスローイングの正確性につながっている。そこでしか得ることのできない技術を磨いてきた。それは大学に入っても同じ。その積み重ねが、好フィールディングにつながり、気持ちを打撃に大きくシフトできる要因となった。強打の捕手はこうして生まれた。

頭にあるのは秋のリーグ戦に勝つこと「最後の秋なので悔いが残らないようにしたい」

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