ロッテ福浦、引退試合は“超美技”締め 「ウイニングボール、もらっちゃったよー!」
打撃では4打数無安打に終わったが最後は劇的な幕切れ
そんな福浦に、現役ラストシーンで奇跡のような瞬間が訪れた。
9回、DHを解除し、福浦が慣れ親しんだ一塁の守備位置へ。5点リードのマウンドには、登板志願の守護神・益田。2死一塁から「福浦さんに打球を捕らせたかった」と、左打者の平沼に対し、内角直球を続けると、2球目を強振した打球は、バッテリーの狙い通りに一、二塁間へ。「あんなライナーになるような打球のイメージはしていませんでした」と、益田も想定外の強烈なライナーとなったが、ゴールデングラブ3度受賞の名手は、これを横っ飛びで好捕しゲームセット。捕球した福浦の満面の笑みで、グランドフィナーレを迎えた。
「ウイニングボール、もらっちゃったよー! 2軍で昨日はもらえなかったから」と、自ら捕球した記念球を嬉しそうに報道陣に見せていた福浦。「最後は飛んでくると思わなかった。あれをスルーしたらさすがにあれかなと。体が勝手に反応したんですかね。僕の実力じゃないです。みんなに捕らせてもらった」と、現役最後の大ファインプレーを、照れ臭そうに振り返った。
試合後の引退セレモニーでは、これまで出会った全ての人へ感謝の言葉の述べると、観客席から紙吹雪が降り注ぐ中、笑顔でZOZOマリンスタジアムを一周。ロッテ一筋26年「幕張の安打製造機」と言われた稀代のバットマン・福浦和也。最後まで涙を見せることなく、グラウンドを後にした。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)