去年の悔し涙を糧に―西武今井に芽生えたエースの自覚「大事な試合で勝ちたい」

今季は7勝9敗、防御率4.29「先発で1番若いので頑張っていきたい」母校・作新学院からも刺激

 登板の翌日には、西口文也投手コーチから指導を受けている。指摘される部分は納得することばかりで、課題を修正して後悔のない投球がしたいと話す。

「『あそこでああだったらな』『そこだったな』というのが多いです。そこを修正していかないといけないと思います。試合を作るのは先発の仕事です。更に勝っていかなければ評価はされない。まだまだやり足りないというか、悔しい思いのほうが多い。チームの力になり切れていないと思います」

 シーズン終盤になり疲れも出てくる時期だが「先発で1番若いので頑張っていきたい」と気を吐く。この夏、母校の作新学院高は甲子園ベスト8入りし、後輩たちの姿にも力をもらった。

「惜しいところまでいきましたね。打つ方は問題ないと思っていたんですが、エースの林君は準々決勝、準決勝が一番辛かったと思う。自分も準々決勝終盤あたりから、準決勝が一番辛かった。あそこを踏ん張れば行けたんじゃないかなと思います」

 今季、再びCSでの登板は十分に考えられるが「大事な試合で勝ちたい」と、昨年のリベンジを誓う。

「ここまでは同じ失敗を繰り返しています。森さんにも、打ってもらっている打線にも迷惑をかけている。大事な試合に勝てるのがエースだと思います。負けられない試合を勝ち切らないといけないと思います」

 甲子園制覇はわずか3年前だが、既にライオンズのエースとしての自覚を持って戦っている。頼もしい21歳の右腕は、悔し涙を流した昨シーズンの経験を糧にチームを悲願の日本一に導く。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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