ハム田中賢、引退セレモニーで「たくさんの愛」に感謝 見守った同僚も次々と涙
両親への感謝で言葉を詰まらせる「これからもここ北海道でみんなと一緒に生きていきます」
日本ハムの田中賢介内野手が27日、本拠地オリックス戦で引退試合に臨んだ。現役最後の打席で涙を流しながら右翼フェンス直撃の適時打を放つなど、ヒット2本で通算1499安打に到達。試合後の引退セレモニーでは同僚や家族、球団関係者、ファンに感謝の言葉を伝えた。
田中は「2番・DH」でスタメン出場すると、6回の第3打席で右前打をマーク。さらに、8回には右翼フェンス直撃の適時打を放ち、NPB通算1499安打で現役生活に幕を下ろした。
試合後には引退セレモニーが行われ、まずはファンが大きな「賢介コール」。照明が消え、田中の現役生活を振り返る映像が流された。その後「2番、セカンド、田中賢介」のコールとともに、田中がマイクの前に。ファンに最後のあいさつを行った。
まずは球団職員やチームスタッフ、ファン、同僚に感謝した田中。挨拶の間には、後ろで見守っていた選手たちも次々と涙を流した。時折、声を詰まらせていた田中は、両親への感謝の思いを述べながら「僕が壁にぶち当たり苦しくなったとき、父は……」と話したところで、涙が溢れて言葉が出てこなくなる場面も。「父は、『賢介、逃げるな。正直にまっすぐ生きろ。コツコツ努力すれば必ず乗り越えられる』。そうメッセージをくれました。母はそっと寄り添い、あえて何も言わず、いつも笑顔で見守ってくれました」と感謝した。
さらに「北海道、そしてファイターズの少しでも力になれるように、これからもここ北海道でみんなと一緒に生きていきます」とも。終了後には、選手会長の中島、同い年の鶴岡、二遊間を守った金子誠コーチ、2人の愛息から花束を受け取り、チームメートと写真撮影。本人だけでなく、周りの人たちが涙にくれる感動的なセレモニーとなった。