侍”初選出”の鷹・周東はスペシャリスト 稲葉監督が惚れこんだ理由
50M5秒7の快足、稲葉監督が惚れた“ある瞬間”とは
野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督は1日、都内で記者会見を行い、10月31日、11月1日に沖縄・セルラースタジアム那覇で開催される「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsカナダ」と11月2日(日本時間3日)に開幕する「第2回 WBSC プレミア12」のメンバー28人を発表。ソフトバンクの周東佑京外野手が侍ジャパントップチームに初選出された。
今季開幕前に支配下登録された育成出身で、今季は102試合に出場したが、そのほどんどが守備固め、または代走としての出場で、打率は.196にとどまった。今回のメンバーは巨人の中川皓太と周東以外が代表経験者。ソフトバンク松田や広島・菊池涼、巨人・坂本勇などベテランばかりの中で、なぜ周東は選ばれたのだろうか。
会見の冒頭、稲葉監督は「勝つためにはやはりスピード、パワーが大事。活きのいい若い選手だけを並べてみたりしてもだめ、ベテランにスペシャリストを加えた」と選出基準を説明。周東についても「終盤の1点が大事になる。(周東は)スピードという点で、警戒されている中でもスチールできる、セカンドランナーにいればヒット一本で帰ってこれる。侍ジャパンにも必要だと考えた」とコメント。50メートル走で5秒7、今季25盗塁を決めた走りのスペシャリストとしての選出だ。
しかし、稲葉監督が認めたのは足のスピードだけではない。周東はトップチームこそ初めてだが、2018年の「第2回WBSC U-23ワールドカップ」では日本代表を経験している。そこでも指揮を執っていた稲葉監督が惚れ込んだ、あるプレーがある。
決勝戦となったメキシコ戦。2回2死一、二塁のピンチでヘラスが右前に放った打球を、右翼手の周東が本塁へ好返球。その他にも好プレーがあったといい、稲葉監督は「大事な時に3つほど捕殺を決めた。外野手としても優れている」と評価。今回の選出はなるべくしてなるものだったのかもしれない。
(Full-Count編集部)