プロ志望の大阪桐蔭エース 根尾、藤原…道標はいつも上を行く「すごかった」先輩たち

「自分が子供の時に見ていた松坂選手のような、小さい子に夢とかを与えてあげられるような選手に」

「最終回と11回は3年間の中でも一番しんどかったです」。負けた瞬間は頭の中が真っ白になったというが、最後は立派なエースとして大阪桐蔭での2年半を終えたことは間違いない。それは西谷監督の「エースとして投げていたので中田にかけました」という言葉が証明している。

 自分たちの力で甲子園に行くことはできなかったが、「後悔は全然ないです。もうすべて出し切りました。終わってからやっぱり大阪桐蔭でよかったって思いました」と笑みがこぼれた。こう言い切れるのはエリートだった中田が、先輩たちのレベルの高さに圧倒され、けがで投げられなかった期間が自分を成長させてくれたと感じているからだ。

「1年の時の自分を冷静に見ると志望届を出してなかったと思います。周りの人の支えがあって球速がアップしたり、ここまで来られたので(志望届を)出そうかなと思いました」

 昨年のドラフトは目の前で次々と指名されていく先輩たちの姿をドキドキしながら見守っていたという。その輝いていた先輩たちの姿を見て、プロ野球の厳しさも十分に感じている。

「あんなにすごかった先輩たちがプロの世界に入ったら簡単には上手くいかなくて結果に苦しんでいるんで、自分ももっとやっていかないとなぁと思っています」

 中田の憧れは投手をやりたいと思ったきっかけである松坂大輔投手。「自分が子供の時に見ていた松坂選手のような、小さい子に夢とかを与えてあげられるような選手になりたいと思います」。何があってもぶれなかったプロへの想い。「一生懸命やっていれば、見てくれている人はいると思う」。大阪桐蔭で培ってきたものを信じ、10月17日、運命の日を待つ。

【動画】多くの好投手が育った大阪桐蔭のブルペン プロ志望届を提出したエース・中田惟斗投手の実際の投球映像

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