巨人牽引する亀井は「12球団で一番イヤな1番打者」 阪神は逆転へ鳥谷起用も手か
追いつめられた阪神、ムードを変えるために「鳥谷の1番起用があってもいい」
そして、その原監督の用兵術で光るのが、亀井の1番起用だ。シーズン途中からリードオフマンに座り、打線を牽引してきたベテランは、このCSでも躍動。この試合も大暴れだった。野口氏は、その働きぶりを絶賛する。
「亀井が本当に機能していますね。あれだけのベテランが初回に二塁打をヘッドスライディングで決めた。それはチームに火がつきますよ。(坂本勇との)ダブルスチールを決めたのも亀井ですし、1番打者として十二分に機能しています。さすがですね。今、12球団で一番イヤな1番バッターかもしれません。しかも、亀井がこうやって塁上でプレッシャーをかけている時に打席に立っているのが坂本勇、丸、岡本となれば、相手バッテリーはたまりません。原監督の用兵のうまさもありますし、試合の雰囲気作りというか、そういうところも含めてトータルでさすが原監督だなと感じますね」
では、阪神がここから奇跡の逆転突破を果たすことはできないのか。この1敗でかなり状況は厳しくなり、野口氏も「相手の嫌がることを探してやろうとしているのでしょうが、どうしたら嫌がってくれるか。巨人がスキを見せてくれませんから」と難しさを感じているという。そして、「とにかく1回表にビッグイニングを作るとか、そういうことがないと阪神の流れにならない」と指摘。ムードを変えるために提案したのが、今季限りで退団する鳥谷の1番起用だ。
「とにかく初回にビッグイニング。そのくらいのことがないと、完全に傾いている流れはそう簡単には戻ってこないと思います。思い切って鳥谷をスタメンで使ってみてもいいのではないでしょうか。巨人は阿部をスタメンで使っていますから。『1番・ショート』で鳥谷を使ってみたら、ムードが若干変わるかもしれない。このまま何もしないで指をくわえて待っているわけにはいきません。そのくらい動くことはあってもいいと思います。かといって、6、7番での起用ではあまり意味がない。1番というところにポイントがあります」
鳥谷が1番として打席に立ち、きっちり出塁して、初回にビッグイニングのきっかけを作る。そんな展開に持ち込みたいのであれば、考える価値のある起用法かもしれない。
圧倒的な強さを見せつける巨人に阪神はどう対抗するのか。巨人がこのまま日本シリーズ進出を決めるのか。最後まで熱い戦いに期待したいところだ。
(Full-Count編集部)