オリックス吉田正、西武ニール… セイバー目線で選出する9月の月間MVP【パ編】

オリックスの吉田正は0PSで楽天の浅村に劣るがセイバー指標では上回る

 月間MVPの選出基準は原則NPB公式記録が用いられます。ただ打点や勝利数といった公式記録はセイバーメトリクスでは、個人の能力を如実に反映する指標と扱わないので、個人の選手がどれだけチームに貢献したかを示す指標による評価は、公式のMVPとは異なることもあることでしょう。

 そこで、セイバーメトリクスの指標による9月の月間MVP選出を試みます。

9月月間 MVPパ・リーグ打者部門
吉田正尚 (オリックス)
OPS.941 wOBA0.406 RC27 7.71

 1年を通じて孤軍奮闘だった吉田正尚ですが、9月も打率.307、本塁打7、打点14の好成績を残しました。月間MVPの対抗馬としては打率は.250だったものの、リーグ1位の2塁打7本と長打率.583、そしてチームをクライマックスシリーズに導く活躍を見せた楽天の浅村栄斗があげられるでしょう。

 ではこの2人をセイバーメトリクスの指標で比較してみましょう。

吉田正尚
OPS.941 出塁率.384 長打率.557 wOBA.406 wRAA8.30 RC27 7.71

浅村栄斗
OPS0.955 出塁率.372 長打率.583 wOBA.404 wRAA7.10 RC27 7.08

 出塁率と長打率を足して評価するOPSでは浅村が上位となりましたが、各プレーの特典価値を累積して算出するwOBA、選手の得点創出能力を測るRC27といったセイバーメトリクスの指標では吉田が上回りました。また平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりもどれだけその選手が得点を増やしたかを示すwRAAでは1点以上の開きになりました。よって吉田正尚を9月の月間MVPに推挙します。

投手では西武のニールが圧倒的な成績を残し断トツの候補に

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