金田正一氏は「皇帝」 米紙も“伝説”特集「MLB球団は契約に興味を持っていた」
「NYタイムズ」が異例の特集記事「カッとなりやすい性格だった」
通算400勝など数々の偉業を成し遂げ、10月6日に逝去した金田正一氏。残してきた“伝説”は枚挙にいとまがないが、訃報を受けて、米国メディアも異例の特集を掲載。米紙「ニューヨーク・タイムズ」は「“日本の皇帝”マサイチ・カネダが86歳で亡くなる」とのタイトルで伝えた。米国でも、その偉大なキャリアには一目が置かれている。
記事では「カネダは単なる“見ていて楽しい”だけの選手ではなかった」と指摘。金田氏がNPB唯一の400勝投手で、MLBでもサイ・ヤング(511勝)とウォルター・ジョンソン(417勝)しかその勝利数を上回っていないと言及し、その他にも14年連続20勝以上などの偉業を達成してきたと紹介している。
さらに、金田氏について「日本で屈指の偉大な野球選手」と表現。沢村賞3度、完全試合1度を含む2度のノーヒットノーランを達成したことに触れ、「また、彼はすぐカッとなりやすい性格だった。彼は一時期、退場の記録も持っていた。特筆すべきこととして、カネダが最も活躍したのは、ほとんどの場合で悲惨な成績を残していた国鉄スワローズ時代のことだった。彼は15年間その球団でプレーしたが、その期間中に勝利数が敗戦数を上回ったシーズンは一度だけだった」として、そのために敗北数も歴代1位(298敗)であるという事実についても伝えた。
そして同紙は、金田氏にメジャー挑戦の可能性があったという“秘話”も紹介。「メジャーリーグ球団は、1960年代にカネダと契約を結ぶことに興味持っていた。しかし、彼は日本に残った」。このように振り返り、1955年にヤンキースが来日した際には、ミッキー・マントルから3三振を奪ったという有名なエピソードにも触れている。
数々の“伝説”が永遠に語り継がれるであろう名投手。そのキャリアに米メディアも改めて敬意を示している。
(Full-Count編集部)