ナショナルズ、17年ぶりの快挙なるか… WS初出場初優勝は2002年エンゼルス以来

2007年ロッキーズ、2008年レイズを初出場に導いた日本人選手たち

 松井稼頭央のいた2007年のロッキーズは、9月16日以降、驚異的な成績を収めた。シーズン最後の15試合を14勝1敗。162試合目で地区2位のパドレスと並び、163試合目にもちこんだ。

 地元で行われたこの試合、6-6で延長に突入。13回表に2点を失ったが、その裏にパドレスの切り札トレバー・ホフマンを打ち砕いて3点取って逆転サヨナラ勝ちを収めたのだ。プレーオフではフィリーズとダイヤモンドバックスをいずれも無敗で撃破した。

 ただしワールドシリーズでは一転。インディアンスを4勝3敗と激戦の末に下した松坂大輔と岡島秀樹のいたレッドソックスの前に、1勝もできずに敗れた。リーグ優勝からワールドシリーズまで日にちが空きすぎ、勢いが止まってしまったようだ。

 2008年は岩村明憲が入団2年目を迎えたレイズが快進撃。1998年の創設から10年間、地区最下位9度、4位が1度と低空飛行を続けたてきたが、デビルレイズからレイズに改名した2008年には、あれよあれよという間に地区優勝を果たした。ジョー・マドン監督のもと、ジェームズ・シールズ、アンディ・ソナンスタイン、マット・ガーザ、エドウィン・ジャクソン、スコット・カズミアーの先発投手5人がいずれも2桁勝利と、安定した成績を残した。ただ、ワールドシリーズではチャーリー・マニエル監督率いるフィリーズに1勝4敗と屈している。

 2010年にはレンジャーズがジョシュ・ハミルトン、ブラディミール・ゲレーロ、ネルソン・クルーズ、マイケル・ヤングらで強力打線を形成。投手陣ではCJ・ウィルソン、トミー・ハンター、そして広島からの逆輸入コルビー・ルイスが2桁勝利をマーク。7月には左腕クリフ・リーを補強して、10年ぶりでプレーオフに進んだ。

 レイズとのディビジョン・シリーズでは敵地で2連勝した後に本拠地で2連敗。敵地での最終第5戦をものにして勝ち抜いた。チャンピオンシップではワールドシリーズ2連覇を狙ったヤンキースを4勝2敗で破った。ワールドシリーズではジャイアンツのティム・リンスカム、マット・ケイン、マディソン・バムガーナーという先発陣を攻略できず、1勝4敗で敗れ去った。

 以上、見てきた通り、2001年から2010年までの10年間にワールドシリーズ初出場のチームが6つもあった。21世紀に入ってメジャーリーグが新時代を迎えたというムードを感じさせるものだった。

 その流れが最近は収まって、今年のナショナルズはレンジャーズ以来9年ぶり。2005年のロッキーズからワールドシリーズ初陣チームは4度続けてシリーズで負けているが、今回のナショナルズはどうだろうか?

(樋口浩一 / Hirokazu Higuchi)

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