鷹のドラフト舞台裏を探る 高齢化する野手陣…石川入札&佐藤“外れ1位”のワケ

野手陣の高齢化でドラフトのポイントは野手に、佐藤は「右の上林のような感じ」

“外れ1位”として指名したのは、右打ちの外野手である佐藤だった。もともと、ソフトバンクは1位で石川を獲得できた場合、2位で佐藤を指名するシミュレーションしていたという。JFE西日本の河野や創志学園の西といった前評判の高かった選手もまだ残っていたが、「佐藤は他球団の評価も高く、ウエーバーでウチの順番まで残っていないかもしれなかったので、繰り上げて1位で指名した」と佐藤の指名に踏み切ったという。

 ソフトバンクにとって、今ドラフトのポイントはやはり野手だった。永井本部長は「ウチの編成を見ると、野手の年齢層がかなり上がっている。佐々木は素晴らしい素材でしたけど」という。確かに内川が37歳、松田宣と川島が36歳、明石が33歳になった。柳田も31歳となり、中村晃も11月に30歳となる。今宮ですら28歳だ。

 2017年のドラフトでは増田珠ら、2018年には野村大樹らと確かに若い選手を加えているが、どこまで成長してくれるかは未知数だ。野手の高齢化、そして右の外野手不足という現状のチームのニーズを考えると、佐々木や奥川をはじめとする投手の指名はそれにはマッチしなかったということだ。

 こうして1位で指名することとなった佐藤について、永井本部長は「いいですよ。右の上林のような感じ。足と守備、肩はすぐに1軍でも通用するクラス」と高く評価する。バッティングはまだ荒削りながら、パンチ力はあり、俊足強肩だという。王貞治球団会長も「過渡期に来ている」と語っていたソフトバンクの野手陣。佐藤ら若鷹がチームを変革する存在となれるか、今から楽しみだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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