「まずは坂本勇人さん」―鷹・甲斐はいかにして巨人打線を“機能不全”に陥れたか

ソフトバンク・甲斐拓也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・甲斐拓也【写真:藤浦一都】

甲斐が4試合で巨人相手に仕掛けたもの「シリーズに入る前から考えていました」

 ソフトバンクの4連勝で幕を閉じることとなった2019年の日本シリーズ。パ・リーグ2位からCSを勝ち上がってきたソフトバンクが、セ・リーグを制した巨人を第1戦から投打で圧倒した。CS1stステージの第2戦から怒涛の10連勝。工藤公康監督が就任してから、レギュラーシーズンでもなかった10連勝で頂点へと駆け上がった。

 シリーズMVPに輝いたのはジュリスベル・グラシアル内野手。第1戦で逆転2ラン、第3戦では同点ソロ、そして日本一を決めた第4戦では2戦連発となる決勝の3ランと3本の本塁打を放ち、文句なしのMVPだった。

 このシリーズでもう1人、影のMVPを挙げるとするならば、それは巨人打線を徹底的に封じた甲斐拓也捕手ではないだろうか。全4試合でスタメンマスクを被り、投手陣をリード。巨人打線を“機能不全”に陥れた役割は大きかった。

 甲斐が4試合で巨人打線に仕掛けたものとは、一体何だったのか。4試合が終わり、日本一が決まった後、甲斐自身がその一端を明かした。

「シリーズに入る前から考えていました。CSを見てて、岡本が打って、丸さんも打ってのところがあった。その中で、まずは坂本勇人さん。何もしなかったら、あとの試合がキツくなるだろう、と。1戦目は勇人さんがポイントになると思った。2戦目は岡本でした」

 鍵を握るのは2番に入る坂本勇人、4番の岡本和真、そして、2人の間に座る3番の丸佳浩だった。

 そうして迎えた1戦目。「千賀にもそれを伝えて1戦目にいってくれた」。甲斐は育成同期の相棒である千賀に対しての自分の考えをしっかりと伝え、試合に臨んだ。

抑えても謙遜する甲斐「結果論です。結果的に勝ったから言ってもらえる」

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