都市対抗準Vのトヨタ自動車が初戦突破 来年のドラフト候補栗林が完封勝利

社会人1年目の右腕が4安打13奪三振の快投、2回に挙げた1点を守り抜く

「第45回社会人野球日本選手権大会」第5日目が29日、京セラドームで行われた。緊迫した投手戦となった第1試合のトヨタ自動車-マツゲン箕島硬式野球部は、今夏の都市対抗で準優勝したトヨタ自動車が1-0で完封勝ち。先発の栗林が4安打13奪三振の快投で2回戦進出を決めた。

 社会人1年目の栗林が、2大会ぶりの初戦突破に大きく貢献した。立ち上がり1死一、二塁とピンチを招いたが、ギアを上げて2者連続三振で切り抜けた。その後は力のある直球と、カットボール、カーブで打者を翻弄。2回に小畑の適時二塁打で奪った1点を守り切り、終わってみれば9回4安打13奪三振で完封勝利をあげた。

「入社してから9回を投げるのは初めて」と汗を拭った栗林。1年間を締めくくる日本選手権大会の初戦のマウンドを託された右腕は、「信頼して、期待してもらえている。途中で(救援の)佐竹さんに代わらずに自分に任せてもらえた」と納得顔で振り返った。8回のマウンドに向かう前には藤原監督から「頼むぞ」と声をかけられ、最後までマウンドを譲ることなく投げ切った。

 来年のドラフト候補にもあがっている栗林。初めて参加したキャンプで、藤原監督から「スカウトがきてもいつも通り投げた方がいい」と助言を受けたことをきっかけに、力みがちになっていた自分を見つめ直した。「アピールしたい気持ちがあったけど、今は関係ない。いつも通りやるだけ」と自然体を貫く若きエース候補が、チームを2大会ぶりの優勝に導く。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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