侍J撃破へ意欲を燃やすベネズエラ代表の日本人トレーナー「東京五輪の出場権を」

ベネズエラ代表の日本人トレーナー本間敬人氏【写真:本間敬人】
ベネズエラ代表の日本人トレーナー本間敬人氏【写真:本間敬人】

本間敬人氏はプレミア12ベネズエラ代表のチームスタッフとして参戦「これ以上に光栄なことはない」

 11月に行われる「第2回 WBSC プレミア12」で、ベネズエラ代表のチームスタッフとして世界の頂点を目指す日本人トレーナーがいる。本間敬人氏。現在、ドミニカ共和国にあるMLBフィリーズのアカデミーでトレーナーなどを務めている37歳の本間氏は、かつてベネズエラのウインターリーグで07-08年から17-18年シーズンまで計11年間勤務。その実績が買われ、今回ベネズエラ代表の一員としてチームに加わった。

「ずっとベネズエラの野球に携わっていましたし、本当にこれ以上に光栄なことはない。チームの目標はプレミア12優勝と、来年の東京五輪の出場権を獲得すること。トレーナー業だけでなく、キャッチボール相手やバットボーイ、通訳まで何でもして、チームをサポートできるように頑張りたいです」

 オープニングラウンドでは台湾で開催されるグループBに入り、5日に行われる初戦で日本と対戦するベネズエラ代表。チームは10月19日からメキシコのプエブラで合宿を行っており、同26、27日に行われたメキシコ代表との練習試合は初戦は0-2で敗れたが、2戦目は9-4で勝利。チームは29日にメキシコでの合宿を打ち上げ、台湾に向かう予定で、本間氏は「将来性のある若手と経験のあるベテランがうまく融合しており、チームはいい感じでまとまってきている」と、手応えを感じているという。

 本間氏は高校卒業後、米国の大学に入学。野球部のトライアウトを受けたが、合格できず、自身も肩や腰をケガしていたことから「スポーツに関わる仕事で選手を助けたいと思った」と、選手としての道を諦め、トレーナーになることを決意。大学でアスレチックトレーニング、ストレングスコンディショニングを学んだ。

 ベネズエラとの縁は、05年にロイヤルズのスプリングトレーニングでインターンとして働いている時にベネズエラ人選手と知り合ったことがきっかけだった。「米国の野球界には中南米出身の野球選手がたくさんいるので、こっちで野球の仕事に携わるためにはスペイン語が必要だと気付いたんです」。その後、スペイン語を勉強。リハビリを担当していた別のベネズエラ人選手からウインターリーグのチームでの仕事を紹介され、夏は毎年メジャー傘下のチームでトレーナーを務める傍ら、07年からは毎年冬のシーズンもベネズエラでトレーナーを務めるようになった。

「アメリカ人の選手と中南米の選手との間には距離感がある。でも自分はアジア人なので、その間にうまく入り込めた。ラテンアメリカはまだまだ発展途上で、その良さを感じていたし、伸びしろがあると思った。そして、同じ外国人としてアメリカに来ている彼らを助けたいと思ったんです」

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