女子プロ野球、36選手退団の衝撃… 選手ら胸中吐露 「少し考える時間を…」

左から埼玉・みなみは残留、京都・小西美加、埼玉・加藤優らは退団が発表された【写真提供:日本女子プロ野球リーグ】
左から埼玉・みなみは残留、京都・小西美加、埼玉・加藤優らは退団が発表された【写真提供:日本女子プロ野球リーグ】

残留のみなみも切なる思いを吐露「子供たちのためにも潰してはいけない」

 日本女子プロ野球リーグは1日、4球団計36選手の退団を発表。女子プロ野球リーグの所属選手は全部で71人で、半数以上の選手が退団することになり、衝撃が広がっている。

 退団する選手の中には、ワールドカップ3大会連続MVPの愛知ディオーネ・里綾実投手、京都フローラの“レジェンド”小西美加投手、埼玉アストライアの加藤優外野手ら人気選手も多数。監督やコーチも6人が退任する。

 小西は女子プロ野球で10年間プレー。長らく投手と野手の二刀流として活躍してきたレジェンドだ。小西はツイッターを更新し、「10年間の女子プロ野球選手生活に終止符を打つこととなりました。まだ投げられるし打てるし走れるけど、プロでないと意味が無いので、少し考える時間をもらいます」と思いを記した。

 人気選手の加藤優はツイッターとインスタグラムで退団に至った経緯、女子野球への思いを綴った。「私自身がこれからの女子野球界にとって貢献できること、今だからできることはないのだろうかと考えたとき、小さい女の子達や学生の憧れ、目標となるチーム、環境を創っていかなければいけないと考えての退団です」と理由を説明。さらに「次のステージではしっかり胸を張って『女子野球には夢と希望がある』と言えるような環境づくりをしていきたいと思います」と綴っている。

 埼玉の山崎まり内野手はツイッターで「次の道はまだ決まっていませんが、野球少女が夢と希望を持ってプレーできるように0からでも同じ想いを持った仲間と一緒に進んでいけたらと思います」と今後ついて記した。

 また、現役引退を表明した選手も。埼玉の磯崎由加里投手はインスタグラムで「私はシーズンに入る前に今シーズンで引退することを決め、1年間悔いのないシーズンにしようと思い戦ってきました」と振り返り、同じ埼玉の谷山莉奈投手は「今シーズンで女子プロ野球選手を引退します」と綴った。愛知の三浦由美子外野手もツイッターで「今年で引退させていただきます。感謝の気持ちでいっぱいです」と表明した。

 残留する選手も複雑な胸中を吐露した。埼玉のみなみ外野手はインスタグラムで「私は来季も女子プロ野球選手としてプレーします」と明かしたうえで「仲間が居なくなると思うと本当に寂しくて、ネガティブに考えてしまいそうになります」と退団する選手の気持ちを思いやった。そして「今、私たちが行動していかないと野球の楽しさを知った子どもたちの未来が無くなってしまう。女子プロ野球選手という職業を子ども達の夢のためにも潰してはいけない。どうか応援していただきたいです」と熱い思いをつづった。

 日本女子プロ野球リーグは8月26日に記者会見を行い、来季のリーグ存続に向けて新規参入企業の募集を正式に開始したことを発表。来季以降は公益性、社会性を高め、次代に継続する球団・リーグ運営を実現するため、球団ごとに運営企業を正式に募集するとしていた。

 11月8日には、わかさスタジアム京都で退団選手による試合(非公式戦)を開催することも発表された。

(Full-Count編集部)

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