巨人は三塁、阪神は外野…FA市場“開幕”、各球団の補強ポイントと予算を確認【セ編】

2019年セ・リーグポジション別得失点【画像提供:DELTA】
2019年セ・リーグポジション別得失点【画像提供:DELTA】

広島、中日、ヤクルトの補強ポイントは…

【広島】ニーズ:三塁

 今季は田中広輔の不調により遊撃が大きな弱点となった。ただ報道によると田中は右膝半月板を損傷したままプレーを続けていたようだ。故障が癒えた来季は回復を見込めるかもしれない。また仮に田中が完調でなかったとしても、将来有望な小園海斗の成長を待つのが妥当だろう。今季は弱点になったが、ニーズがあるとは言えない。内野でいえば、レギュラーが定まらない三塁でよりニーズが高い。

 広島の中で最もニーズが大きいのは外野だ。今季は長野久義、松山竜平、野間峻祥らの調子が上がらず、鈴木誠也、西川龍馬以外の外野手の貢献が乏しかった。ただこうした現状を見てか、チームは2日に新外国人選手ホセ・ピレラの獲得を発表。弱点に確実に手を打っている。

【中日】ニーズ:先発・捕手・外野

 中日最大の弱点は先発だ。極端に投手有利なナゴヤドームを本拠地としながら先発が非常に大きなマイナスを生んでいる。先発投手のニーズはセ・リーグで最も大きい。また捕手の攻撃力不足も大きな課題となっている。

 もしソイロ・アルモンテが退団となった場合、左翼は福田永将が務めることになりそうだ。大島洋平、平田良介とあわせて強力な外野陣を維持できるだろう。ただ福田は近い将来のFA権取得、平田は契約が残り2年、大島は今年34歳を迎えるなど、それぞれ中長期的にチームに貢献できるかは微妙な状況だ。長期的に活躍できる外野手は確保したい。

【ヤクルト】ニーズ:先発・外野

 今季はリーグワーストの防御率4.78を記録するなど失点が非常に多かった。ただこれは非常に得点の入りやすい神宮球場を本拠地としていたことが要因として大きい。投手陣は補強ポイントではあるが、表の値ほど弱点ではないと見るべきだ。

 本拠地が極端に打高環境であることを考えると、打撃でそれほどプラスをつくれていない野手のほうが大きな問題だ。特に外野は右翼が大きな弱点になっているうえ、ウラディミール・バレンティンはFA宣言こそしなかったものの契約切れ。さらに青木宣親が37歳、雄平が35歳と高齢化している。ニーズは非常に高い。

 内野はすでに遊撃・三塁を守るアルシデス・エスコバーの獲得に成功。現時点では遊撃・エスコバー、三塁・廣岡大志、一塁・村上宗隆という布陣が予想される。来季の戦力という点では三塁・遊撃のニーズも解消された。

セ・リーグ各球団の2020年残り予算を推測

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY