FA宣言のロッテ鈴木の魅力は「万能守備+打力」 データ上はどの球団が最適?

ソフトバンク・オリックスの内野手層【画像提供:DELTA】
ソフトバンク・オリックスの内野手層【画像提供:DELTA】

ソフトバンクは二塁にフィット? 高齢化するポジションを埋めることも可能

 ソフトバンクに鈴木が移籍した場合、二塁を守ることになりそうだ。ソフトバンクの二塁は現在確固たるレギュラーがおらず、明石健志、牧原大成、川島慶三らの併用で、弱点にならないよう凌いでいる状況だ。鈴木が加入すれば、二塁は運用に頼る必要がない安定したポジションになるだろう。またソフトバンクは一塁の内川聖一が37歳、三塁の松田宣浩が36歳と高齢化している。鈴木がいれば近い将来の世代交代にも、対応しやすい。

 ただソフトバンクの場合、ジュリスベル・グラシアルを三塁、中村晃を一塁で起用するなど、別の選択肢をとることもできる。また二塁も併用の効果もあってか、それほど大きな弱点になっているわけではない。巨人に比べるとやや需要は落ちる。

 オリックスが鈴木を獲得した場合、弱点の三塁を守ることになるだろう。今季は計10選手が出場したレギュラー不在のポジションだ。高確率で一定の活躍を見せる鈴木加入は効果的になる。また一塁もT-岡田の状態が不安定であるほか、クリス・マレーロ、スティーブン・モヤの働きも十分ではない。状況によっては一塁を守ることもありえそうだ。ただオリックスはすでにこのオフのFA補強に参戦しないことを明言している。弱点のポジション2つをカバーできる人材だけに、積極的に動きたいところであった。

 候補球団を検討した結果、巨人、オリックスがより鈴木獲得に適しているという結果になった。このうち、どちらがより適しているかの判断は難しいが、最大の特徴であるユーティリティ性をより生かしやすい環境ということで、巨人を鈴木の最適球団としたい。

(DELTA)

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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