FA宣言のロッテ鈴木の魅力は「万能守備+打力」 データ上はどの球団が最適?

ロッテ・巨人の内野手層【画像提供:DELTA】
ロッテ・巨人の内野手層【画像提供:DELTA】

ロッテ残留&巨人移籍を想定、巨人なら起用の幅を広げる存在に

 ここからは鈴木がどの球団に移籍するのが最も効果的になるか、最適球団を探っていく。今回はこれまで所属していたロッテ、さらに巨人、ソフトバンク、オリックスの4球団を候補とし、検討した。ロッテ以外の3球団は、以前各球団の補強ポイントと予算を確認した記事(セ・リーグ編■https://full-count.jp/2019/11/03/post594278/・パ・リーグ編■https://full-count.jp/2019/11/03/post594329/)で鈴木のメインポジションである二塁や三塁が弱点となっており、さらにFA選手獲得に動ける予算があると予想した球団だ。

 イラストに鈴木のポジションである内野の選手層を年齢順に並べている。選手の右にある値は、WAR(Wins Above Replacement)。打撃、走塁、守備成績を集計し、「ある選手が、その出場機会をファームからいつでも調達できるレベルの選手に譲った場合、チームに与える影響」を「○勝分」といったかたちで、勝利単位に換算した数字だ。控えレベルの選手は0.0、リーグ平均レベルの選手は2.0ほどが目安になる。赤字は来季のレギュラーが濃厚な選手を示している。

 ロッテは鈴木のポジションである一塁・二塁・三塁に、それぞれ井上晴哉、中村奨吾、ブランドン・レアードと優秀な選手を保有している。今季は鈴木が一塁に、井上が指名打者に入ったが、これは指名打者候補として獲得したケニス・バルガスがうまく機能しなかったためだ。長期的には現在20歳の安田尚憲を三塁に据える動きもあるため、鈴木目線で見ても、今後レギュラーの保証はなさそうだ。戦力的に見た場合、それほど適した球団ではない。

 巨人は今季三塁での出場が多かったクリスチャン・ビヤヌエバが退団すれば、鈴木が入団した場合は三塁を守り、岡本が一塁に専念することになりそうだ。レギュラー不在のポジションだけに効果的な補強になるだろう。故障がちな吉川尚輝が守る二塁のバックアップとしても期待でき、また遊撃を守る坂本勇人が将来的にコンバートされた場合も、鈴木であれば柔軟に別のポジションに移ることができる。今オフ、アレックス・ゲレーロとの契約交渉がうまくいかなかった場合、左翼での出場もあるかもしれない。鈴木が加入すればチームの弱点を多く埋め、起用の選択肢を増やしてくれる。巨人は非常に適した球団と言えるのではないだろうか。

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