【プレミア12】米国はいかにして侍ジャパンを破ったか 敵将が語る「シンカー系」と「研究」
侍ジャパン打線を3点に抑えた投手陣は「シンカー系の投手を多く使った」
■アメリカ 4-3 日本(プレミア12・12日・東京ドーム)
野球日本代表「侍ジャパン」は12日、東京ドームで「第2回 WBSCプレミア12」スーパーラウンド第2戦(テレビ朝日系列で放送)のアメリカ戦に臨み、3-4で競り負けた。投手陣が小刻みに失点を重ねると、打線もアメリカの投手陣を攻略しきれず。接戦を落として、オープニングラウンドから5試合目で大会初黒星を喫した。
日本を倒して、スーパーラウンド1勝目を掴んだアメリカ代表。試合後、スコット・ブローシャス監督は「今回の勝利を嬉しく思っている。チーム全体の努力の結果だったと思います。チーム全体で取り組めた。投手陣も良いパフォーマンスを出してくれた」と歯車が噛み合った投打双方を褒め称えた。
2回に先頭のボームが先発の高橋礼から二塁打を放って出塁すると、内野ゴロの間に先制。3回も先頭のチャタムが二塁打で出塁し、ダルベックの適時二塁打で2点目を奪った。オープニングラウンドでプエルトリコ打線をほぼ完璧に封じたサブマリン右腕を攻略してリードを奪った。
1点差とされた5回には先頭のペイトンが二塁打で出塁し、ボームの適時打で追加点。再び1点差にされた7回にはエンゼルスの有望株であるアデルが右翼スタンド中段にソロ本塁打。追い上げる侍ジャパンを何度も突き放して逃げ切った。
9イニングのうち5イニングで先頭打者が出塁し、そのうち3イニングで得点に繋げた。指揮官は「まず攻撃的にいこうという風に選手には伝えた。打てる球がきたら、それを捉えていこうと話し合っていた」とコメント。一発を放ったアデルは「先発投手についてはかなり見てきた。様々な形を変えて配球をしてくるというのは予め分かっていた」と先発の高橋礼については、かなりの研究を重ねていたことを明かしていた。
また、投手陣も粘り強く投げて日本打線に同点、逆転を許さなかった。指揮官は「今回は特にシンカー系の投手を多く使いました。それで多くのゴロを打たせることができました」とコメント。日本打線が苦手とする早く沈む2シーム系の投手を使って、侍ジャパン打線を封じ込めた。
さらには、鈴木誠也の打席で二、三塁間に内野手3人を配置するなど、大胆な守備シフトも敷いた。ブローシャス監督は「NPBのデータを使ったわけではない。国際試合になると、普段、日常的に対戦していない選手と対戦しなければならない。我々が使ったデータというのはスカウティングレポート、アメリカ側のスカウトが持ってきたデータに基づいています」と語り、かなり日本の戦いを研究していたことを伺わせていた。
○『世界野球プレミア12』の主な予定(テレビ朝日系列で放送)
11月13日(水)午後6時45分~ 「日本×メキシコ」
11月17日(日)「決勝」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)