【プレミア12】相手に与え続けたダメージ 世界一の大きな要因となった侍ジャパンの「選球眼」
相手へのボディブローとなった四球、光った侍ジャパン打線の「選球眼」
「得点がボコボコ入ったのは16日の韓国戦だけでしたが、それでも欲しい点はしっかり取れていた。その中の特徴として、選球眼の良さがあったと思います。近藤を筆頭に四球をたくさん取った。それがボディブローのように相手のバッテリーに響いて、我慢できなくなって仕方なく投げた真っ直ぐを鈴木や浅村が仕留めた。いい循環だったと思います。
四球なので、その1打席で2点とかが入るわけではない。たくさん点が入っていたわけではないですが、少ない点数でも相手にダメージを与える点をしっかり取れた。『普段だったら振ってくれているのにな』と相手投手は投げていたはずですが、それをしっかり見極めたのは非常に評価に値すると思います」
初めからそこを見据えた稲葉監督の人選、打順構成も見て取れたという。
「近藤を3番に置いたのは、最低でも1人走者を出して鈴木に回せるというのがあったと思います。最高の選球眼を持った男がいるので。大会終盤に近藤を3番に入れなくて済むようになったのは、(代わりに3番に入った)丸も選球眼のいい選手ですし、2番の坂本の復調を見た稲葉監督の判断もあった。たとえ一塁にでも走者がいる状態で調子のいい4番に回すことができるのは非常に大きい。鈴木の二塁打で本塁に還ってこられるわけですから。決勝戦の1点目のタイムリーはまさにそういう形でしたね」
しかも、終盤に走者が出れば、ベンチには周東という“切り札”もいた。
「オーストラリア戦では切り札(周東)を切って、その切り札が点を取ってきてくれた。ベンチにとっては非常に大きい点のとり方だったと思います。『これから先も競った時にああやって点が取れる』という手応えを感じた試合になりました。出塁率にしても走塁にしても、そういう武器を持った選手は今後も非常に大事になってきます」
点を取るために必ずしもホームランが必要なわけではない。日本には日本の点の取り方がある。投手力という強みもある。来年の東京五輪でも金メダルを目指す侍ジャパンにとっては、収穫の多い優勝となった。
(Full-Count編集部)