【プレミア12】「間違いないです」 侍J會澤が手応えを得た国際大会で通用する球種とは?
韓国戦でもフォーク、カーブを多用 東京五輪に繋がる収穫は?
■日本 5-3 韓国(プレミア12・17日・東京ドーム)
野球日本代表「侍ジャパン」は17日、東京ドームで「第2回 WBSC プレミア12」決勝の韓国戦に臨み、5-3で逆転勝ち。宿敵を下し、2009年の第2回WBC以来、10年ぶりの世界一に輝いた。會澤翼捕手(広島)は7投手をリードし、初回の3失点以降は得点を与えなかった。
この日の先発は山口俊投手(巨人)だったが、これまでバッテリーを組んでいた小林誠司捕手(巨人)ではなく選ばれたのは前日16日の韓国戦でもスタメンマスクを被り、経験豊かな會澤だった。
しかし山口は初回先頭に3球連続ボールを出すと、フルカウントから四球を与えた。立て直す間もなく、続くキム・ハソンは4球目のフォークを左翼スタンドへ運び、その後もキム・ヒョンスに3ボール1ストライクから直球を右翼スタンドに運ばれて3失点。「シーズン中あれくらい経験のあるピッチャーなのでどうこう(話す)というのはなかったが、ああなってしまった」と振り返った會澤。しかしこの3失点に「結果的に自分は冷静になれた」という。
2戦連続の韓国戦だったが、16日の試合では主力がほぼ抜けた打線と対戦。決勝戦では当然、スターティングメンバーがガラリと入れ替わった。「打者も結構変わりましたし、自分の意見だけでなく、ベンチにいた甲斐や小林にもしっかり聞きました」とコミュニケーションを取り対策を練った。短期決戦で初物ばかりを相手にする国際大会、捕手としても大事になってくるのは「特徴を早く掴むこと」。グラウンドに出た選手だけでなく、チーム一丸となった結果だ。
「投手によって違いますが、カウントが不利になったときにどうするかを1番考えていた」という會澤。その中でも、国際大会で通用する日本の投手陣の球は「落ち球ですね、間違いないです」と断言する。決勝戦でもフォーク、カーブを多用した。
もちろんリードに応える投手陣の力によるところも大きい。會澤も「頼もしい投手陣で、僕自身も助けられた。安心して受けることができた」と感謝しきり。東京五輪でもこれらの経験が生きることになりそうだ。
(臼井杏奈 / Anna Usui)