西武戦力外の高木勇がトライアウトMVP 監督の清原和博氏が称賛「一番良かった」

ワールドトライアウトに出場しMVPに選ばれた高木勇人【写真:編集部】
ワールドトライアウトに出場しMVPに選ばれた高木勇人【写真:編集部】

2イニングで打者7人を無安打、現役続行へ「もっともっと頑張ります」

 今季限りで西武を戦力外となった高木勇人投手が30日、公開トライアウト「ワールドトライアウト2019」に出場。2イニングで打者7人に対して無安打無失点の好投を見せ、MVPに選出された。

 出場選手が2チームに分かれ、午前と午後の2試合を実施。高木は2試合目に先発し、初回はわずか4球で3者凡退に。2回は左翼の失策で出塁させた先頭打者を二塁に背負うも、140キロ前後の直球やスライダー、100キロ台のカーブを投げ分けながら後続を空振り三振、投ゴロ、空振り三振に仕留めた。寒空の下、計27球の熱投だった。

 試合後、監督を務めた清原和博氏からMVPが発表されると、高木は「ただ一生懸命に投げた結果が良かったのかと思います」と強調。アマチュア選手や外国人選手も含めたトライアウトを振り返り「自分より若い人がいっぱいいて、すごく刺激になりました。もっともっと頑張ります」と抱負を語った。清原氏は選出の理由について「一番良かったからです」とだけ言い、スタンドの笑いを誘った。

 高木は高卒で社会人の三菱重工名古屋に7年在籍したのち、2015年にドラフト3位で巨人に入団。ルーキーイヤーに9勝を挙げてブレークしたが、2年目以降は成績が下降線に。18年にFAで巨人に加入した野上亮磨投手の人的補償で西武に移ったが、チームのリーグ連覇に貢献することはできなかった。

 西武からの戦力外通告後、11月12日に行われた「プロ野球12球団合同トライアウト」にも出場。その際には「体も元気だし、引退するつもりも全然ない。死ぬまで引退しないでいたい。生きる道をこれから探していく」と現役続行の強い意思を見せ、今回のワールドトライアウト出場も決断した。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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