大台2億円に到達した西武森を支えた“友哉を励ます会” 「それがなかったら…」
来季からは選手会長を務める「まずは一塁までちゃんと走りたい」
西武の森友哉捕手は4日、所沢市内の球団事務所で契約更改交渉を行い倍増以上の年俸2億円でサインした(金額は推定)。森は「(金額を見て)ビビりました」と今季の推定年俸8000万から大台突破を飛び越えての2億到達に驚きながらも「頑張ればそれだけ評価してくれるんだなと」と満足そうな表情も見せていた。
パ・リーグMVP捕手が、大幅アップで一発サインだ。今季は正捕手として135試合に出場し、扇の要としてチームの投手陣を懸命にリード。圧倒的な破壊力を誇る西武打線の中軸に座り、打率.329と打ちまくって捕手としては史上4人目となる首位打者にも輝いた。
自身初の20本塁打を達成し、打点もキャリアハイとなる105打点をマーク。全てにおいて自己最高の成績を叩き出した森について渡辺久信球団本部ゼネラルマネージャーは「彼なしでは今年の優勝は語れない。貢献度ではトップクラス」と文句なしの最高額で評価したことを明かした。
森は「去年は負けて優勝した。今年は勝って優勝できて嬉しかったのが、初めての感覚でした。打撃陣が助けてくれたので、来季はバッテリーで勝てる試合を1試合でも多くしたい」と正捕手らしく意気込んだ。さらに「今年は死ぬほど失敗したので。来季は失敗を失敗で終わらせないように」と捕手としてのスキルアップも誓っていた。
飛躍のシーズンを「しんどかった」と振り返った森。小さな大黒柱を支えたのはチームメイトの存在だった。大量失点での敗戦の後には責任を背負いこんで落ち込みがちだったというが、先輩たちが「友哉を励ます会」を開催。「山川さんは近くにいて、『うん、うん』って聞いてくれる。増田さんや平井さんは『打たれても友哉のせいじゃないよ』って。いろんな人に支えてもらいました。それがなかったらどうなっていたかわからない」と周囲のサポートに感謝した。
来季からは増田に代わって選手会長を務めることも決まっており、チームの中心選手としてより一層の自覚を持ってシーズンに臨む。森は「そもそも選手会長が何をするのか分かっていないんですけど」と言いながらも、「まずは一塁までちゃんと走りたい」と茶目っ気たっぷりに抱負を語っていた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)