超大物ジョーンズがなぜオリックスへ? 日本行きを決断させた米球界事情
2018年に年俸約19億円だったジョーンズが、2019年には約3億3000万円でプレー
ダイヤモンドバックスからFAとなり、2年総額800万ドル(約8億8000万円)でオリックスへの加入が決まったアダム・ジョーンズ外野手。メジャー通算282本塁打という輝かしい実績を誇り、NPBの助っ人の中でもトップクラスの大物外国人と言える。
このジョーンズのNPB移籍は米国でも驚きを持って伝えられ、米メディアも注目している。そんな中で米データサイト「ファングラフス」ではジョーンズのNPB入りによって、MLBの大物FA選手のNPB移籍という「トレンドの始まり」になるかもしれない、と予言している。
今季はダイヤモンドバックスに在籍し、137試合に出場し、打率.260、16本塁打67打点の成績を残したジョーンズ。2013年にはオリオールズで33本塁打を放つなど、メジャー通算1823試合出場、5度のオールスター出場を誇るバリバリのメジャーリーガーだ。
そんな大物が、まだ移籍市場が真っ只中にある中でメジャー球団からのオファーを待たずにNPB移籍を決めた。「ファングラフス」では「今週起こった大きな動きの中に隠れ、ジョーンズは月曜日の夜に2年800万ドルの契約を結んだ。3年目の球団オプションもついている。信じられないほど好条件に思えるだろうが、ジョーンズはMLB球団ではなく、日本のオリックスと契約したからである」と驚き交じりに伝えている。
なぜ、ジョーンズは来季のプレーする場所として、MLBではなくNPBを選択したのか。「ファングラフス」は、その理由について「彼が海外の球団と契約する大きな動機となったのが、多くのメジャーリーグのベテラン選手たちが直面している難しい環境から抜け出すことのように思われる。ジョーンズは昨オフの停滞、特にベテラン選手への影響を公に批判していた。メジャーリーグの経済状況が彼に日本行きを決断させたのかもしれない」と分析した。
ジョーンズはオリオールズから2018年にFAとなった。その年は年俸1733万ドル(約19億円)でプレーしたが、ダイヤモンドバックスへの入団が決まったのは3月に入ってから。しかも年俸は約15億7000万円のダウンとなる300万ドル(3億3000万円)だった。昨今のFA市場の停滞化や、大物FA選手の高騰や交渉の長期化の影響をモロに受けた形となり、これがジョーンズが日本行きを決断した一因というのだ。
記事では、このジョーンズの日本行きが「トレンドの始まりを示すかもしれない」とする。そして「NPBのトップ選手の年俸はメジャーリーグよりもかなり低いが、アメリカ人が年俸400から500万ドル(約4億4000万円から5億5000万円)を受け取った前例もある。FA市場に苛立っていて、外国に行くことに前向きなのであれば、日本と韓国に機会があるだろう」と、今後もジョーンズのように海を渡る実績者が増えるのでは、と予想した。
大きな期待を背にオリックスに入団することになったジョーンズ。「ファングラフス」は「仕事で求められていると感じることが大切である。34歳のジョーンズは、慣れた環境から離れることになっても、自分の能力と存在を評価してくれる球団と契約したことを喜んでいるようだった」と、この決断を評価していた。
(Full-Count編集部)