楽天が買収、ムネリン入団、過去にはメジャー大物も… 30年目を迎えた台湾プロ野球

味全ドラゴンズが再加盟、元ソフトバンクの川崎宗則がコーチ兼任選手として入団

 この奮闘によってCPBL人気は復活。このシーズンにMLBの大選手、マニー・ラミレスが義大ライノズ(現富邦ガーディアンズ)でプレーしたこともあり、観客動員は一気に回復した。

 徐々に台湾国内の有望選手もCPBLに進むようになり、2015年ドラフト1巡目でLamigoモンキーズに入団した王柏融(現日本ハム)が、2016年に打率4割、2017年には三冠王を記録。「王大王(ワンターワン)」と呼ばれ、国民的なスターとなった。

 2019年のCPBLは、Lamigoモンキーズ、富邦ガーディアンズ、中信ブラザーズ、統一ライオンズの4球団が、前後期2シーズン制で、各期20回総当たり、年間120試合でペナントレースをおこなった。今年6月には、かつてCPBLに加盟していた味全ドラゴンズが再加盟を申請、元ソフトバンクの川崎宗則がコーチ兼任選手として入団して話題となった。2021年のリーグ戦加入を目指している。また今オフにはLamigoモンキーズを、日本の楽天が買収した。

 CPBLの観客動員は240試合で130万人前後。1試合平均で5500人弱。2500万人以上を集めるNPBや700万人以上のKBOに比べれば見劣りするが、観客数は増加傾向にある。CPBLではKBOと同様、球団が雇用するチアリーダーやチアガールが派手な応援合戦をして観客を呼び込んでいる。

 かつては中小企業が少ない資本で運営することが多かったCPBLだが、最近は大企業が運営にかかわるようになっている。日本に対する好感度が極めて高い台湾では、楽天の参入も期待感をもって受け止められている。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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