大谷翔平の完封、「10・2決戦」、西武連覇… パ・リーグ優勝決定試合を振り返る

今シーズンは西武が連覇を達成、優勝決定試合でも強力打線が爆発

○2019年9月24日 西武対ロッテ(ZOZOマリン)

 前年(2018年)は開幕から一度も首位の座を譲らずにリーグ優勝を勝ち取った西武だったが、連覇を狙った2019年は複数の主力選手が抜けた影響からか、7月終了時点でリーグ3位となかなかエンジンがかからず。一方、リーグ王座奪還に燃えるソフトバンクは7月に混戦状態から一歩抜け出し、前回優勝を飾った2シーズン前と同様の独走態勢を築きつつあった。

 しかし、西武はここから王者の意地を見せる。8月中旬から急激に調子を上げてAクラス争いから一気に抜け出し、首位のソフトバンクを猛追。最大で8.5ゲーム差あった状態から着々と差を詰めていき、9月11日には130試合目にしてシーズン初の首位浮上を果たす。その後も獅子軍団の勢いは衰えず、いよいよシーズン142試合目のロッテ戦に勝てば優勝というところまでこぎつけた。

 この試合で先発マウンドを託されたのは、自身10連勝中と絶好調のニール投手。持ち味の打たせて取る投球で6回3失点(自責点1)と試合を作り、打線は2回に3本の適時打で5点を先制。3回にも山川の43号2ランで2点を追加し、その後も攻撃の手を緩めずに加点していく。12対4という大差で9回裏を迎えると、最後は守護神の増田達至投手が3者凡退で締めて胴上げ投手に。昨季とは真逆の大逆転優勝というかたちで、リーグ連覇を達成した。

 このように振り返ってみると、一つの興味深い傾向が見えてくる。札幌ドームで試合に敗れたのちに胴上げを行った西武も含め、過去4年間の優勝チームは全て敵地でリーグ優勝を決めているのだ。本拠地のファンの前で胴上げがしたいという思いは多くの選手や関係者に共通するところだが、全てがそこまで思い通りにはいかないということか。

「パーソル パ・リーグTV」では、2013年以降のパ・リーグにおける優勝決定試合を、1試合丸々配信していく予定だ。歓喜に酔いしれたあの瞬間を、もう一度味わってみてはいかがだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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