3億円更改の鷹・千賀が球団に要望したこと 若手育成のために求めた主力との“交流”

契約更改に臨んだソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】
契約更改に臨んだソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

春季キャンプなどでの若手と主力の“交わり”の必要性を訴えた千賀

 23日に契約更改交渉に臨み、今季の1億6000万円から1億4000万円増となる年俸3億円で来季の契約をにサインしたソフトバンクの千賀滉大投手。交渉の場では、ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍への強い思いを伝えるとともに、もう1つ若手のために春季キャンプでの体制改善を望んだ。(金額は推定)

「最大限の評価をしていただいた。また1年責任感を持って過ごさないといけないと思う」と自らの契約については満足げに話した千賀。ここ数年、訴え続けているポスティングによるメジャー移籍に関しては「今年も自分の考えは伝えた。(自身は海外FAを取るまでは)球団の権利なので」というに留めた。

 これとは別に千賀が球団に要望したことがあったという。それが春季キャンプでの若手と主力の交流の接点をいかに作るかということだった。「B組(主に2軍や育成)の選手との交わりがもっとあっていい。A組の選手と会話することで意識が変わればいいと思う。僕もB組にいた人間なので余計にそう思う」と、熱く語った。

「少しでも交わる時間があれば。ブルペン見学とかでもいいんで、その選手にとってプラスになればと思う。昔は(練習場があった)西戸崎に(主力選手が調整のために)居残りになる時代があって、僕も(斉藤)和巳さんを見れたことが大きかった」

 現在の2軍施設は筑後市にあり、本拠地との距離も離れた。リハビリ組は筑後に通う機会もあるが「リハビリ組はスイッチが切れた状態。スイッチが入った状態でないと」と千賀はいう。

 それだけに全選手が集まる春季キャンプは交流の絶好の機会。隣接する球場で、あるいはサブグラウンドを共有しながら主力と若手が練習を重ねる。とはいえ、効率的に練習するためには練習メニューもきっちりと分けておく必要があり、千賀も「難しい部分はあるのはわかっている。グラウンドに選手があふれても意味がない」としつつ「見たり聞いたりする機会が少なすぎる」と現状を、少しでも改善してほしいと訴える。

 育成出身のエースは、後輩たちをかつての自分の姿と重ねながら、チームとしても成長していくことを切に願っている。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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