梅野と小林が大接戦、投手は…データから最優秀守備賞を選出【投手・捕手編】

投手部門は阪神・西が1位、票が割れる中で昨年10位から大躍進

https://1point02.jp/op/gnav/column/bs/column.aspx?cid=53588

 投手部門は西勇輝(阪神)がトップとなった。捕手の梅野とあわせてバッテリーは阪神勢が選出されている。さきほど捕手はアナリスト間で評価に差が出ることも多かったと紹介したが、投手はその捕手よりもさらに評価が割れた。

 投手の守備評価というと、バントやゴロの処理や牽制などが想像されるだろうか。しかしそもそも投手の投球と守備は厳密に分けられるものではない。より良いバント処理を行うため、マウンドから素早く駆け下りられるよう投球した結果、ボールカウントが増えれば、守備が投球に作用したと考えられる。投球と守備は地続きになっているのだ。

 こうした実態を考慮した結果、アナリストの市川博久氏は投球もすべてひっくるめて評価するというラジカルな手法を採用した。結果、ほかのアナリストの間では評価が高くなかった山口俊(巨人)に1位票を投じている。それぞれのアナリストで評価の手法だけでなく、どこまでを守備と考えるかにも違いが生まれたことで順位付けには大きな差が生まれた。しかし結果的には牽制やバント処理において堅実に高評価を得ていた西が1位となっている。

 ただ西も前回は17投手中10位と2年続けて高評価を得たわけではない。ほかのポジションの野手はシーズン1200イニングを超えて守ることもあるのに対し、投手は多くても200イニング程度。イニングが少ない中での争いとなるため、年によって大きく順位が変わる傾向は今後も続いていくかもしれない。

※外野手編はこちら、内野手編はこちらから。

(DELTA)

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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