マートン、メッセンジャーに呉昇桓が大活躍… 阪神10年代を牽引した助っ人たち

ランディ・メッセンジャーとマット・マートン(写真はカブス時代)【写真:荒川祐史、Getty Images】
ランディ・メッセンジャーとマット・マートン(写真はカブス時代)【写真:荒川祐史、Getty Images】

メッセンジャーは10年で98勝、マートンは2010年に当時のNPB歴代最多214安打

 2019年シーズンのプロ野球が幕を閉じ、2010年代は今年で一区切りとなった。ここでは10年間で活躍した阪神の主な助っ人外国人選手を見ていこう。

○クレイグ・ブラゼル内野手

 2008年に西武で27本塁打を放ったが頭部死球の影響で退団。2009年は米独立リーグで開幕を迎えたが、5月に阪神に加入した。1年目は16本塁打だったが、2年目の2010年には打率.296、47本塁打、117打点の大活躍。3球連続自打球を受け、次の球を本塁打にするなどガッツ溢れるプレーでも愛され、4年間で91本塁打をマークした。2013年からはロッテで2年間プレーして現役引退した。

○ランディ・メッセンジャー投手

 メジャー5年で173試合にすべて救援で登板した実績を持ち、2010年にマリナーズから加入。1年目は救援として開幕を迎え、途中で先発に転向したが防御率4.93と結果を残せなかった。2年目に先発ローテーションに定着してチームトップタイの12勝を挙げると10年間で98勝。今季、助っ人としては異例の引退試合が行われた。NPB通算1474奪三振、2桁勝利7回はNPB外国人投手歴代最多。

○ジェイソン・スタンリッジ投手

 2007年途中にソフトバンクに加入して7勝を挙げたが、2008年は未勝利で退団。マーリンズ傘下、米独立リーグを経て2010年開幕直後に阪神に入団すると、1年目から11勝5敗、防御率3.49と活躍した。2年目からローテーションを守り続け、3年連続で防御率2点台と安定したが、いずれも2桁勝利に届かなかった。2014年からはソフトバンクで2年連続2桁勝利。2016年からはロッテで2年間プレーして引退した。

○マット・マートン外野手

 2006年にカブスで左翼のレギュラーとして144試合に出場し、チームトップの打率.297、13本塁打、OPS.809の好成績を残した経験を持つ。2010年に加入すると、1年目から打率.349、当時のNPB歴代最多記録となる214安打を放った。6年間の在籍で首位打者1回、最多安打3回、ベストナイン4回の活躍。2016年はカブス傘下、2017年はタイガース傘下でプレーしたが、メジャー復帰は叶わずに引退した。現在はカブスのベースボール・オペレーション補佐を務め、台風21号の被災地支援のために来日するなど日本との関係も続いている。

○呉昇桓投手

 韓国プロ野球(KBO)サムスンでは9年間で歴代最多となる277セーブを記録。韓国代表としてはWBCに2度出場しており、2014年に鳴り物入りで加入した。絶対的な守護神だった藤川球児投手の後釜という難しい役割を担ったが、2年連続で最多セーブと見事に期待に応えた。2016年にメジャー挑戦すると、76試合で19セーブ14ホールド、防御率1.92の大活躍。今季途中に古巣サムスンに復帰した。

○マウロ・ゴメス内野手

 2013年に米マイナー3Aで打率.304、24本塁打、90打点の成績を残してMVPを受賞し、2014年にナショナルズ傘下から加入した。1年目から打率.283、26本塁打、109打点の活躍で打点王、ベストナインに輝くと、3年間で65本塁打と活躍。2017年オフにはドミニカ・ウインターリーグの古巣エスコヒードでプレーし、今季は同チームのコーチに就任した。

○ラファエル・ドリス投手

 2016年にタイガース傘下から加入。1年目は34試合で8セーブ9ホールド、防御率2.12も成績を残したが、オフに右肘の手術を受けて自由契約となった。2017年2月に再契約を結ぶと、37セーブで最多セーブに輝いてCS進出に貢献。昨季は守護神として32セーブ、今季途中からはセットアッパーとなり、自己最高の防御率2.11と活躍したが、オフの保留者名簿から外れて自由契約となった。

 2010年にメッセンジャー、スタンリッジ、マートンと球団歴代最高クラスの助っ人3選手の獲得に成功。特にメッセンジャーは2010年代の10年間をすべて経験し、惜しまれながら引退した。また、呉昇桓、ドリス、ジョンソンと優秀な救援投手の活躍が目立った。

 来季に向けては、ガルシア、マルテ、呂彦青が残留。メジャー通算92本塁打のボーアを含む助っ人5選手と新たに契約し、球団史上最多の助っ人8人体制となる。4つしかない外国人枠を巡って熾烈な争いとなりそうだ。

(Full-Count編集部)

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