トラウトMVPもここ20年で最悪エンゼルス 優勝争いに大谷は「必要なエース」
エンゼルスが今オフ、FAで獲得した投手はフリオ・テヘランのみ
エンゼルスは昨季、ア・リーグMVPのマイク・トラウト外野手を擁しながら、西地区5位に沈んだ。さらに今オフはFA市場最大の目玉だったゲリット・コール投手の獲得にも失敗し、投手力の強化は課題のまま残されている。米メディアはこのエンゼルスが今年優勝争いするため、どのような望みがあるのかを考察している。
米スポーツメディア「ザ・リンガー」は今季の予想記事をアップし、その中でエンゼルスがトラウトと共にプレーオフでまだ勝ったことがないと言及。昨季は72勝90敗で、地区シリーズで勝利したアストロズには35、ワイルドカードのスポットからは24ほど差があったことに触れ、「この20年で最悪」と辛辣な言葉を綴った。
その“最悪”から出発した今オフは、「獲得出来るなかで、最高の野手」と評するリーグ打点王のアンソニー・レンドン内野手と契約。しかし投手で獲得したのは、「ファングラフス」のWAR予想順位で32位のフリオ・テヘラン投手のみだったと言及する。FA市場には既に大物投手は残されておらず、さらなる強化のためにはトレードが必須となりそうだ。しかしトレードでも、ジョー・アデル外野手以外は有望プロスペクトがおらず、この道も困難を極める。
そんな中で期待されているのが大谷翔平投手の復活だと記事は指摘する。「彼のルーキー時の投球が今後のヒントになるならば、彼こそがエンゼルにとって必要なエースになるかもしれない」と大きな期待を寄せた。しかし大谷は過去3年間、故障で満足な回数を投げていないばかりか、「エンゼルスは彼の復帰を急かさないだろう」と言及。シーズン序盤の戦力として考えるのは難しいだろう。
今オフの投手の補強はうまくいかなかったが、記事は優勝争いの可能性を否定しない。「その為にはレンドンとアデルの昇格(予定)でより強力になるはずの打撃陣が、投手陣の弱さをカバーすることだ」。もし怪我をした選手が健康になり、新加入の選手とのいい連鎖が起きれば、「(22年ぶりの東部地区優勝を果たした)2015年のブルージェイズのようになる可能がエンゼルスのラインナップにはある」とする。ブルージェイズはこれまで、投手陣と打撃陣のバランスは勝つために必ずしも必要ではないとしてきたといい「もしエンゼルスが2015年のブルージェイズの投打の力関係を真似出来れば、エンゼルスはメジャーリーグで最もエキサイティングなチームになることもできるだろう」と期待した。
トラウト、レンドン、大谷らの強力打線が優勝を引き寄せるのか、はたまた大谷の早期復活と活躍が鍵となるのか。今年こそエンゼルスが優勝争いに加わることに期待したい。
(Full-Count編集部)