サイン盗み騒動はドジャースに悲劇「勝者はいない」 2年連続で“疑惑”の影響被る
“疑惑”の2018年にはPOで2敗のカーショーは被害者?「10月に失敗すると言われなかったかも」
アストロズのサイン盗み騒動に関し、MLB機構の調査が一区切りを迎え、処罰が発表された。その中には2017年のワールドシリーズ(WS)制覇に関する措置はなく、チャンピオンはアストロズのままとなっている。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」はこのWSの敗者であるドジャースと、そのエースに同情的な記事を掲載した。
ドジャースはアストロズのみならず、同様の疑惑で調査されている2018年のレッドソックスにもWSで敗戦しており、「MLBとファンにとって酷い日となった。特にここロサンゼルスでは」とこの処罰に対する悲しみを伝えている。
この記事の筆者は、MLBの調査によって2017年の結果が変わることはないと指摘しつづけていたというが、「それはよくない。数十年ぶりにドジャースがチャンピオンになるのを楽しめなかったロサンゼルスのファンにとってよくない。フランチャイズプレーヤーのカーショーにとっても悲しいことである」とエース左腕のクレイトン・カーショー投手に触れた。
カーショーは2017年アストロズには第5戦で5回途中6失点と逆転を喫し、また2018年のWS第1戦で4回5失点、第5戦で、7回4失点とレッドソックスにこてんぱんにやられた。
これまでポストシーズンでは通算30試合登板で防御率4.32と、3度のサイ・ヤング賞に輝いたとは思えぬ投球をみせており、もしこれが“疑惑”に関係することであり、不正が行われていなければ「10月に失敗すると言われなかったかもしれない」と記事は指摘する。
ドジャースファンにとっては当然ながら、アストロズファンにとっても悲しいことだ。今後は選手とファンが野次を受けるだろう。「ここに勝者はいない。程度の差はあれ、惨めさだけが残る」。カーショーが本当にこの被害を被ったのかは報告書からは読み取れないようだが、2017年にはダルビッシュ有投手もWS第3戦で敗戦しており、“被害者”は一人ではない可能性もある。どちらにせよ、2017年のWSのチャンピオンが変わらない以上、カーショーの不名誉は残り続けることとなりそうだ。
(Full-Count編集部)